ネットエージェントは1月7日,特定のアプリケーションへの通信を識別して遮断するソフト「One Point Wall」を1月27日に発売すると発表した。HTTP通信などTCPポート80番を使うために通常のファイアウォールでは止めづらい,特定のアプリケーションへの通信を遮断する機能を備える。例えば,PtoP(ピア・ツー・ピア)ソフト「WinMX」によるファイル交換や,匿名掲示板サイト「2ちゃんねる」への書き込みを阻止することが可能である。

 One Point Wallは,Linuxベースの起動可能なCD-ROMに組み込まれて提供される。NIC(ネットワーク・インタフェース・カード)を2枚装着したサーバー・マシンにCD-ROMをセットして起動させれば,目的の通信を止めるブリッジ型のネットワーク機器として動作する。このサーバーを,インターネットへのゲートウエイと,社内のクライアントとの間に設置する。既存のクライアントやサーバーなどの設定変更は不要である。

 遮断できるアプリケーションへの通信は,現在のところ4種類。(1)「2ちゃんねる」および同様の仕組みを用いた掲示板への書き込み,(2)VPN(仮想プライベート・ネットワーク)構築ソフト「SoftEther」(別記事を参照)による接続,(3)WinMXによるファイル要求,(4)スクウェア・エニックスのオンライン・ゲーム・サービス「Final Fantasy XI」へのログイン,である。これ以外の通信を遮断したい場合や,(1)~(4)をまとめて1台のサーバー・マシンで止めたい場合は,個別相談となる。

 遮断した通信の履歴などをログとして記録することができる。サーバー・マシンにSCSIディスク,USBディスク,USBメモリーなどが搭載されていれば,それらを自動識別して記録する。仕様上,IDEディスクには記録できず,上記の記憶装置がない場合はサーバー・マシンのメモリー上に保管する。

 価格は,100クライアントの場合で,(1)~(4)のそれぞれが9万8000円。それ以外のアプリケーションに対応する場合は,24万8000円から。

(実森 仁志=日経システム構築)