ミラクル・リナックスは1月7日,中国のレッド・フラッグ・ソフトウエア(中国名:北京中科紅旗軟件技術)と,日中共通のLinux関連製品を共同開発することで提携したと発表した。すでに,両社が提供予定の次期サーバー向けLinuxディストリビューション製品「MIRACLE LINUX V3.0」と「Red Flag DC 4.1」の内容を共通化することで合意済みという。

 具体的には,日本語や中国語など,アジア諸国の言語に対応した,Linuxカーネル,ライブラリ,パッケージ群を「Asianux」という名前で共同開発。Asianuxを,それぞれのブランド名で販売する。これにより,MIRACLE LINUX V3.0向けに開発したアプリケーションが,そのままRed Flag DC 4.1上でも動作することになる。

 製品に対するサポート体制も共通化する。製品出荷に合わせて,米Oracleの中国開発センター内に,ミラクルとレッド・フラッグが共同でサポート・センターを開設し,日本と中国のユーザーの両方をサポートする。

 今回の提携により,日本のLinuxアプリケーション・ベンダーにとっては中国市場へ進出しやすくなる。また,中国に拠点を持つ日本のユーザー企業にとっては,日本と同じアプリケーションを中国で稼働させやすいなどの利点が期待できる。

 両社は今後,日本におけるクライアント向けディストリビューションの市場性を調査し,参入する場合は協力する計画である。

(実森 仁志=日経システム構築)