Sun Fire B100sの128ノード構成

 日本オラクルは12月17日,同社のプライベート・ショウ「OracleWorld Tokyo」で,データベース管理システムの新版「Oracle Database 10g」を用いた128ノードのクラスタリング環境を実演。Oracle 10gの売り物であるエンタープライズ・グリッドの実現性を強調した。

 デモの環境は,データベース・サーバー機として米Sun Microsystemsのブレード・サーバー「Sun Fire B100s」,各ブレード・サーバーを結ぶ通信機器として米Cisco Systemsのスイッチ「Cisco Catalyst 6509」および「Cisco Catalyst 3750」,ストレージ装置として「Sun StorEdge 6320」で構成する(写真)。128ノードのブレード・サーバー機はラックに積んだ構成で,ハードウエアの定価が5000万円以下である。

 各ブレード・サーバーは1CPUを搭載し,それぞれがOracleインスタンスを実行する。負荷をかけるアプリケーションは,検索用SQL文を128リクエスト同時発行。これを,128ノードで各SQL文をパラレルに処理する「インターノード・パラレル・クエリー」で実行した。

 結果は見事,処理を完了。段階的にノード数を上げ,32ノードで約45秒,64ノードで約23秒,128ノードで約12秒となった。この結果から,クラスタリング・ソフト「Oracle Real Application Clusters(RAC) 10g」が128ノードのクラスタリング環境で動作し,ノード数が上がれば処理能力も高まった,と言える。

 これまでRACのユーザー事例としては,8ノードが最高で,RACのスペック的にも64ノードまでだった。今回それを超える結果が得られた。ただし,この結果によってすぐに多ノードのクラスタリング環境が実現できると考えるのは,時期尚早だ。今回は,検索のみ実行しているため,クラスタリングのためのノード通信はほとんど発生していない。つまり,更新処理が発生するシステムでの利用には,今回の結果はあてはまらない。「リード/ライト(検索と更新の競合),ライト/ライト(更新と更新の競合)の実験はこれから実施する」(日本オラクル マーケティング本部 システム製品マーケティンググループ シニアマネジャー 杉崎正之氏)という。

(森側 真一=日経システム構築)