アクシスソフトは,リッチ・クライアント・ソフトの新版「Biz/Browser V4」とその開発環境「Biz/Designer V4」を2004年1月29日に出荷する。価格は現行バージョンと同じで,50ユーザー・ライセンス60万円から。

写真●Biz/Designerの開発画面
 Biz/Browserは,Webブラウザ上で動作する業務アプリケーション稼働環境。HTMLファイルではなくCRS(Chain Reflection Script)ファイルという独自形式のファイルを,httpを通じて読み込む。CRSファイルはJavaスクリプトを独自に拡張した言語を利用したもので,関数を組み込めるため,業務ロジックを実装することができる。

 新版では,インターネットを介して複数のシステムを連携させる技術「XML Webサービス」の機能を搭載した。Webサービスでデータをやり取りするフォーマットであるXMLやデータ交換のプロトコルであるSOAPに対応することで,Webサービスのクライアントとして利用できるようになった。

 Webサービスは,CRSによるデータ通信よりもデータ量が膨らむ傾向があるため,レスポンスが遅くなる可能性がある。そこで,関連する複数のCRSファイルを圧縮して一つのCARという形式のファイルに格納するアーカイブ機能を搭載したことで,ネットワークに負荷をかける通信容量を削減した。実行環境のインタプリタも改善して実行速度を向上させた。これらにより「同じ処理なら現行バージョンに比べ3倍程度早くなる」(アクシスソフト マーケティンググループ ジェネラルマネージャー 山形浩一氏)と言う。

 また,新版では,ユーザー自身が定義したクラスを,基本クラスと同様にドラッグ&ドロップで画面上に貼り付けることができるようになった。アーカイブしたCARファイル中のクラスもドラッグ&ドロップで使用できる。

 Biz/Designerには,機能ごとの実行回数や実行時間を計測するプロファイル機能を搭載した。複雑なクラス構造を持つアプリケーションのパフォーマンス解析や,障害発生時の切り分けをこれまでより容易にする。

(尾崎 憲和=日経システム構築)