DDIポケットは10月23日,同社のPHSサービスの「加入者の減少を食い止める」(取締役 経営企画本部長 喜久川政樹氏)ための,2つの具体策を発表した。(1)AirH"カードと無線LANカードをパッケージした新製品「W-AHWL01」の発売,(2)AirH"の月額使用料の割引サービスの開始--である。減少し続ける個人ユーザーではなく,法人契約の獲得を強化するための戦略という位置付けとなる。

 (1)はアイ・オー・データ機器の無線LANカードの新製品「WN-B11/CMB-DP」と本多エレクトロン製のAirH"カード「AH-H403C」を組み合わせて使う製品。PCカード型の無線LANカードに,CFカード型のAirH"カードを接続できる(写真)。別途提供のソフトを使えば無線LANとAirH"を切り替えて使うことができる。勤務先では無線LANを利用し,外出先でAirH"を利用する場合や,パソコン側にPCカード・スロットが1つしかない場合などでの利用を想定している。WN-B11/CMB-DPはIEEE802.11bに準拠する。11月10日から発売開始で,価格はオープン。

 (2)の割引サービスは2種類。1つは「A&B割」サービスで,ADSLや光ファイバなどのブロードバンド・サービスを利用しているユーザーを対象に,AirH"の月額基本使用料を15%割引する。DION,OCN,ODNなど約20の提携プロバイダの利用者が対象。もう1つは,AirH"を月々25時間まで定額で利用できる「ネット25」の料金の引き下げである。従来までの月額5800円(年間契約では月額4930円)を,月額5400円(年間契約では月額4590円)に下げる。2つの割引サービスとも11月1日から開始する。

 またDDIポケットは今後の事業計画として,エリア拡大(人口カバー率95%以上)やスループットの向上(下り最大256kbpsの実現),法人営業体制の強化なども合わせて発表した。

(岡本 藍=日経システム構築)