米SGIは2003年10月1日,米SCO Groupが知的所有権などの侵害と主張する個所を,Linuxから取り除いたことを明らかにした。SGI社が2003年10月1日に公表した「Linuxコミュニティーへの書簡」と題する文書の中で表明した。

 米SGIは,ファイル・システムXFSなど多くの機能をオープンソース・ソフトウエアとして提供している。今回取り除いたのは,それら提供した機能の中に含まれていたコードである。

 SCOが侵害箇所の例を示したプレゼンテーション資料を,Linuxコミュニティーの中心メンバーであるBruce Perens氏などが,2003年8月にWebサイトで掲載している(関連記事)。その中で,SGIが提供したコードの中に,SCOが権利を保有すると主張しているUNIX SystemVに由来するコードが混入している部分があった。ただし,Perens氏らは,このコードも,SCOの前身である米CalderaによってBSDライセンスのもとでオープンソースとしてリリースされたもので,著作権やトレード・シークレットの侵害には当たらないと分析している。

 SGIは,混入したコードを,Linuxカーネルにすでに存在していた同じ機能を使用するように書き換えるパッチを提供した。

 また,Linuxカーネルの他の部分も調査し,UNIXのコードと関係があるかもしれない部分を少数発見,現在その部分を削除または置換中であるという。SGIは,これらの措置により,SCOがXFSに言及している内容は完全に当を得ないものになると述べている。

(高橋 信頼=日経システム構築)