デルコンピュータと日本オラクルは9月18日,Oracle9i DatabaseとDELL PowerEdgeを組み合わせたパッケージ製品を発表した。データベース(DB)のプラットフォームをIAサーバーにすることで,システムのスケールアウト(サーバー機の増設による負荷分散と可用性向上)を推進するのが狙い。従来,DBのプラットフォームにはUNIX機が採用されることが多かった。

 最近はIAサーバーの性能向上により,システムのスケールアウトがより容易になってきた。難しいとされているDBのスケールアウトも,「Oracle9i Databaseのクラスタリング機能RAC(Real Application Clusters)を使えば実現できる」(日本オラクルの新宅正明社長)。こうしたなかでRACとデルのIAサーバーの組み合わせへの注目が高まっているという。この組み合わせによる案件は,「今年8月からのデルの第3四半期だけでも20数件に上り,すでに5件はシステムの構築に着手している」(デルコンピュータ 営業技術支援本部 デル・テクノロジー・コンサルティング事業部 アドバンスト・システムズ・グループ事業部 本部長 長谷川恵氏)。

 今回のパッケージ製品にはサポート・サービスが付く。デルは,Xeon 2.4GHzのプロセッサを搭載するサーバー各種(PowerEdge1750/2600/2650)のほかに,24時間365日の電話サポートなど1年間のゴールドサポートを提供する。日本オラクルは,DB製品に加えて1年間のStandard Product Servicesを提供する。保守サービスの受付窓口はデルに一元化し,デル社内には日本オラクルのサポート部隊が常駐する。同日より販売を開始し,納期は1週間から10日間程度。

 価格は,PowerEdge1750(CPUにXeon 2.4GHz×1個,メモリー1Gバイト,ハードディスク73Gバイト×2個)に,Oracle9i Database Standard Edition(10指名ユーザー・ライセンス)とWindows Server 2003を搭載した最小構成で80万円から。RACなどは別途,ライセンスの購入が必要となる。11月からは,Oracle9i Application ServerやOracle Collaboration Suiteなどの製品と組み合わせたパッケージも順次発売する予定。

(岡本 藍=日経システム構築)