高性能コンピュータの設計や販売を行うビジュアルテクノロジーは7月29日,同社が設計したクラスタ・システム「VT64 Opteron Cluster」を同志社大学が導入することを発表した。同システムは,プロセサに米AMDの「AMD Opteron 244」を採用。1ノードに2プロセサずつ搭載し,計256ノードをギガビット・イーサネットで接続したクラスタ構成を採る計画である。まず64プロセサ構成で利用し,8月末までに順次追加していく。OSにはTurbolinux 8 for AMD64を採用した。

 AMD Opteronは4月23日に出荷されたプロセサで,クラスタ・システムとしての導入は国内では今回が初めて。同プロセサは,x86アーキテクチャに対応した64ビット・プロセサである。今回同志社大学が導入するシステムの価格は,約1億円。512プロセサ構成時の性能は,ビジュアルテクノロジーの推定で約1テラFLOPSであり,「大手のメーカーならば1テラFLOPSの性能のシステムは10億円以上する」と,同社 技術本部長 西和彦氏は語る。低価格である理由は,AMD Opteronが64ビット・プロセサとしてコスト・パフォーマンスが高いことを挙げている。

 同志社大学はこのシステムを,タンパク質の構造解析やディーゼルエンジンの最適燃料噴射デザインに用いる。Linuxを採用した理由は,同志社大学がこれまでUNIX系OSを利用していたため。同システム上でWindows系OSを動作させた場合との性能比較については,「現在,ベンチマーク・テストを実施しているところ。11月に開かれるSC2003(スーパーコンピュータ関連のイベント)までに発表したい」(西氏)という。

(森側 真一=日経システム構築)