サン・マイクロシステムズは2003年7月24日,ブレード・サーバー「Sun Fire B100s」の運用管理を容易にするソフト「N1 Provisioning Server 3.0 Blades Edition」を出荷開始すると発表した。N1は,米Sun Microsystemsが2002年9月に発表したシステム・アーキテクチャ戦略。サーバーやストレージ,ネットワーク機器などのリソースを集中管理,協調して動作させる仕組みを提供することで,管理の複雑さを増やすことなくシステムを拡張できるようにする---ことを狙ったもの。今回発表した製品は,N1を具現化する製品の第1弾に当たる。

 N1 Provisioning Server 3.0 Blades Editionでは,複数のブレード・サーバー(Sun Fire B100s)を単一のシステムとして管理する機能を提供する。物理的な配置や配線に関係なく複数のブレードをグループ化してサーバー・ファームを構成したり,各サーバー・ファームの構成を動的に変更したりすることが可能。リソースの配置や変更,ネットワークを含めた一連の設定は,Webブラウザを利用したGUI画面で設定できる。

 ブレードに障害が起きた場合は,空いているブレードを利用して自動的にフェールオーバーできる。障害が起きたブレードのディスク・イメージ(スナップショット)を,空いているブレードにロードし,サブネットやVLANなどの設定を変更して自動的に処理を引き継ぐ。ブレードの監視機能も備えており,CPUやディスク,メモリーの使用率などを監視し,しきい値を超えた場合に管理者にメールで通知するなどが可能。

 動作OSはSolarisで,価格は58万8000円。Blades Editionはブレード・サーバーのみを対象としたものだが,年内には他社のストレージやファイアウオール,負荷分散装置なども管理対象に加えたEnterprise Editionを提供する予定である。

(榊原 康=日経システム構築)