富士通は7月14日,業務システム構築用ミドルウエアの新版「Interstage V6」を発表した。同日から順次,出荷する。価格は,Interstage Application Serverが12万円から。旧版(V5)との大きな違いは,(1)オープンソースに対応したこと,(2)XMLデータベースをラインナップに加えたこと,の2点。

 Interstageファミリーは,「基盤ソフト」「ビジネス統合ソフト」「開発環境とフレームワーク」という3つのカテゴリで構成される。これまではいずれも自社製品で固めていたが,V6ではオープンソースに対応した。HTTPサーバーに「Apache 1.3」,Webアプリケーション・サーバーに「Tomcat 4.1」,Javaフレームワークに「Struts 1.1」,開発ツールに「Eclipse 2.0」を利用することが可能で,「豊富な流通資産を活用できるようになる」(富士通 ソフトウェア事業本部 ミドルウェアプラットフォーム事業部長 橋本光廣氏)。

 また,新版ではXMLデータベース「Interstage Shunsaku Data Manager」をラインナップに加えた。Shunsakuは,九州大学と共同開発したSIGMA技術を採用し,かつ自社開発したハイトラフィック技術を組み合わせて,高速な検索レスポンスを実現する。出荷は9月上旬の予定で,価格は180万円から。

 ブレード・サーバーでの利用を前提としており,リレーショナル・データベース(RDB)上のデータをXML化してあらかじめ複数サーバーのメモリー上に分散して展開しておく。クエリーが来ると,各ブレードに対して並列処理を行う。

 「同じハード・スペックで全文検索を行ったところ,RDBは同時実行多重度に応じてレスポンスが落ちていくのに対し,Shunsakuは高い応答性能を維持したまま劣化しない」(橋本氏)という。検索速度が高速なだけでなく,RDBの作成に必要なインデックスの設定や再構成が不要になるため,開発工数や管理工数も削減できる。

 その半面,更新や挿入などディスク・アクセスを必要とする処理はRDBよりも遅い。検索に特化したシステムに向いている。また,すべてのデータをメモリー上に展開できることが必要なため,用途は事実上,文字の検索に限られそうだ。

(尾崎 憲和=日経システム構築)