シトリックス・システムズ・ジャパンは2003年6月26日,シン・クライアント・ソフトの新版「Citrix MetaFrame XP Presentation Server for Windows Feature Release 3」を2003年7月から出荷開始すると発表した。価格は旧版と同じで,同時5接続が39万9500円から。動作OSはWindows 2000,Windows Server 2003。

 新版では,Windows Server 2003への対応のほか,(1)汎用プリンタ・ドライバの拡張,(2)HTMLコンテンツのブラウジングの高速化,(3)管理機能---などを強化した。(1)は,以前の汎用プリンタ・ドライバでは解像度が300dpiのモノクロ印刷しかできなかったが,解像度が600dpiのカラー印刷をできるようにした。

 (2)は,HTMLコンテンツに含まれる画像のダウンロードと,クライアントのキーボードやマウスの入力に同じ通信路(チャネル)を使うため,画像をダウンロードしているときにマウスやキーボードの入力ができず,パフォーマンス上の問題となっていた。それぞれを別の通信路(チャネル)で処理するように変更し,画像のキャッシュ機能などを追加することで,Internet Explorer 5.5以降,およびOutlook/同ExpressにおけるHTMLコンテンツのブラウジングを高速化した。

 (3)は,管理コンソールを強化し,MetaFrameの通信プロトコルICAのKeep-Aliveの時間を設定できるようにした。これまではレジストリを変更して設定する必要があった。このほか,認証にRSAセキュリティのSecurIDを利用する,ログイン時にユーザーが利用可能なアプリケーションを,複数のサーバーにまたがって登録されているものも表示,起動できるようにする---など細かい機能強化を施してある。

 同社では,MetaFrameが備えるアプリケーション共有の仕組みを使い,複数ユーザーによる打ち合わせや会議などの共同作業を実現するアドオン・ソフト「Citrix MetaFrame Conferencing Manager」も2003年8月に出荷開始する。同時5接続の価格は8万4150円から。

(榊原 康=日経システム構築)