ノキア・ジャパンは2003年6月24日,アンチウイルス・ゲートウエイ機能などを搭載したアプライアンス装置「ノキア Message Protector SC6600」を出荷開始すると発表した。ウイルスの検出にはトレンドマイクロのエンジンを利用する。1000ユーザー以上の大規模環境での利用を想定しており,1000ユーザー・ライセンスの価格は588万4000円(ソフトのアップグレードならびに故障時の代替サービスにかかる初年度費用を含む)。

 Message Protectorはメール送受信のゲートウエイ・サーバーとして動作し,中継するメールにウイルスが含まれていないかどうかをチェックする。ウイルスの有無だけでなく,メールのメッセージ・フォーマットに細工が施されていないかなどもチェックする。スパムメールのリストを使い,IPアドレスやファイル名,ファイル・タイプなどでフィルタリングする機能,不正中継の防止機能,DoS(Denial of Service)攻撃対策機能---なども備える。

 アンチウイルスのエンジンおよびパターンファイルは,トレンドマイクロのものをそのまま使うが,信頼性などをテスト,検証した上でノキアが配布する。検証から配布までの時間は「15分程度」(ノキア・ジャパン)。Message Protector自体のアップデートを含めたすべての更新は,ノキアのWebサイトにSSLで接続する形態をとる。ユーザーが設定した間隔で更新の有無を確認,ダウンロードできる。

 CPUはXeon×2,メモリーは1Gバイト,ディスクは36Gバイト(RAID1構成)を搭載する。Linuxベースの独自OS「IPSO-SX」を搭載して処理性能を高めており,ノキアによると,30Kバイトの電子メールで1時間当たり12万通以上処理できるとしている。メール・サーバーは送信部分がSendmailベース,受信部分はノキアの独自開発である。搭載するインタフェースは10/100BASE-T×1,10/100/1000BASE-T×1。

(榊原 康=日経システム構築)