アクシスソフトは2003年4月1日,「Biz コンバージョンサービス for Microsoft Visual Basic」を開始する。過去にVisual Basic(VB)で開発されたアプリケーションを,同社製の「Biz/Browser」で使えるファイル形式に変換するもの。

 Biz/Browserとは,アプリケーションの開発・実行環境。WebブラウザInternet Explorerの画面内で動作させることも可能。クライアント/サーバー間の通信にhttpを使うため,VBでは難しかった,ファイアウォールやインターネットを超えた通信が容易になる。また,業務ロジックをサーバー側で持つため,Webブラウザと同じくクライアント側のメンテナンスが楽になる,といった特徴を持つ。

 アクシスソフトは,VBのプロジェクト・ファイルをBiz/Browserの標準ファイル形式であるCRS(Chain Reflection Script)ファイルに変換するツールを用意した。ツールによる変換率については「これまでテストしたアプリケーションでは,VBの標準機能だけを使ったアプリケーションならほぼ100%コンバージョンできた」(マーケティング室 室長 山形浩一氏)としている。サービス料金は1本(画面や帳票)2万円。テスト・コンバージョンとして5本程度を無償でサービスする。

 ただし,アドイン・ツールを使って開発したソフトでは,変換できないケースもある。また,DBアクセスなどサーバー側に実装されているロジックの中にも,変換できないものがある。これらをトータルすると「通常のシステムの場合,ツールで変換できるのは7割程度だろう」(山形氏)と言う。ツールで変換できない部分は,手動で変換し,料金は別途見積もりとなる。

 変換後のアプリケーションを使うには,Biz/Browserのライセンスが別途必要となる。そのため,不特定多数のユーザーを抱えるECサイトなどのシステムには使いにくい。ユーザー数が限定される社内システムに向いている。「社内システムのリプレースに伴いVBアプリケーションのWeb化を迫られる企業や,VBベースの業務パッケージ商品をWebベースに作り直したいベンダーなどから,既に引き合いが相次いでいる」(山形氏)という。

(尾崎 憲和=日経システム構築)