Windows 2000以降では,グループ・ポリシーやローカル・ポリシーでシャットダウン・スクリプトを実行できるようになりました(図4)。この機能をいろいろと活用したいと思っているのですが,スクリプトが実行されるタイミングが今ひとつよく分かりません。例えば,データベースの停止処理などを実行したいと考えているのですが,スクリプトが実行される時点ではもうサービスが停止しているのでしょうか?
システムのシャットダウン時に決まった処理を実行するシャットダウン・スクリプトは便利な機能ですが,実行されるタイミングについては正確な資料がありません。このため,実際に使用する際には使い方に迷うケースがあります。
コンソールのプログラムのみが終了 シャットダウン・スクリプトが実行されるタイミングは,サポート・ツールなどに含まれているtlist.exe(WindowsXP/2003ではtasklist.exeとしても標準で装備)のような,タスクを一覧するコマンドをシャットダウン・スクリプトとして設定し,その実行結果を調べてみると分かります。
スクリプト内でtlistを実行して調査 これを,「tlist -e」の結果と突き合わせると,コンソール・セッションとなるセッション0のシェルexplorer.exe(プロセスIDが3400)からcalc.exe(同3700)が起動されていることが分かります。同様に,ターミナル・セッションを表すセッション3のシェルexplorer.exe(同1668)からnotepad.exe(同1120)が起動されていることも分かりました。また,セッション0では,ServiceControl Managerであるservices.exe(同524)が各種サービスのプロセス(プロセスIDが2252のwmiprvse.exeなど)を起動していることが分かります。 この後,シャットダウン・スクリプトで同様の「tlist-t」と「tlist-e」を実行してみます。すると,まずシャットダウン・スクリプト自体は,ユーザーのログオン処理と同様にuserinit.exe(同1528)の子プロセスとして起動されていることが分かります。 プロセスの状況を見ると,セッション0(コンソール・セッション)のシェルexplorer.exe(同3400)とcalc.exe(同3700)がなくなっている一方,セッション3(ターミナル・セッション)のシェルexplorer.exe(同1668)とnotepad.exe(同1120)は実行中である ことが分かります。また,セッション0ではService Control Managerのservices.exe(同524)の子プロセスである各種サービスのプロセスもまだ実行中であることが分かります。
終了できないケースを想定しておこう
プロンプトからユーザーの入力が必要になるような処理を実行するなど,完了しないシャットダウン・スクリプトを誤って設定してしまった場合には,[シャットダウンスクリプトを実行しています…]というダイアログを表示したままOSのシャットダウン処理が進行しません。ポリシーで[コンピュータの構成]-[管理用テンプレート]-[システム]-[スクリプト]にある[実行中のシャットダウンスクリプトを表示する]を[有効]に構成しておくと,実行中の状況が確認できるようになります。そうすることにより,仮にこのような状況を引き起こしても対処できます(図6)。 また,完了しないシャットダウン・スクリプトは,デフォルトで10分(600秒)で強制終了させられます。このタイムアウト時間を変更する場合,[コンピュータの構成]-[管理用テンプレート]-[システム]-[スクリプト]にある[スクリプトの実行時間の上限を設定する]で設定します。 (小森 博司)
|
シャットダウン・スクリプトが実行される正確なタイミングを知りたい
あなたにお薦め
今日のピックアップ
-
第四北越FG・群馬銀統合、勘定系はIBMに軍配 システムと業務の共通化は難路に
-
NEXCO中日本管内で起きたETCの大規模障害、システム更新を引き金にデータが破損
-
顔認証だけではないNECの特許、医療や無人店舗への適用探る「伝家の宝刀」
-
Pythonがインストールできない、実は学習を始める前に挫折してしまう入門者
-
「AIに学習させるデータがない」、社員が辞めない日本企業にありがちな問題
-
学術論文の検索や要点の把握に、AIをフル活用しよう
-
経産省が工場セキュリティーの「解説書の解説書」を公開、背景にOT特有の難しさ
-
25年3月のランサム被害を分析、大企業や政府機関を狙うBabukの攻撃が活発に
-
使いこなしたい「Apple Intelligence」、メールのやりとりを要約して返信も素早く
-
何が人間に残るのか、「AIにまねできない」4つの能力とリスキリングの重要性
-
動きをイメージしにくい物理層、特にややこしい「変調」と「符号化」を改めて考え直す
-
ジブリ風でバズったChatGPTの「4oイメージ生成」、1度生成した画像を修正できる
注目記事
おすすめのセミナー
-
CIO養成講座 【第37期】
業種を問わず活用できる内容、また、幅広い年代・様々なキャリアを持つ男女ビジネスパーソンが参加し、...
-
意思が伝わる、資料が見違える「ビジネス図解」4つのセオリー
インフォグラフィックスとは、形のない情報やデータなど伝えたいことを分かりやすい形で表現する技法で...
-
「なぜなぜ分析」演習付きセミナー実践編
このセミナーでは「抜け・漏れ」と「論理的飛躍」の無い再発防止策を推進できる現場に必須の人材を育成...
-
業務改革プロジェクトリーダー養成講座【第18期】
3日間の集中講義とワークショップで、事務改善と業務改革に必要な知識と手法が実践で即使えるノウハウ...
-
IT法務リーダー養成講座
システム開発・運用に関するもめ事、紛争が後を絶ちません。それらの原因をたどっていくと、必ず契約上...
-
ITリーダー養成180日実践塾 【第15期】
8回のセミナーでリーダーに求められる“コアスキル”を身につけ、180日間に渡り、講師のサポートの...
-
生成AIとAIエージェントの導入&業務活用実践講座
生成AIの基礎から応用までの講義と、ワークショップ「フレームワークを使った生成AIの自社活用アイ...
-
ITアーキテクト養成講座【第17期】
システム開発で一般的な「V字開発モデル」に沿って、上流工程から順を追ってITアーキテクトのタスク...
注目のイベント
-
経営課題解決シンポジウム ~経営×AI編~
2025年5月28日(水)13:00~16:20
-
【5月29日】属人化しやすいシステム運用、無駄削減とセキュリティの強化策
2025年5月29日(木)
-
付加価値ある意匠デザインを実現するものづくり技術2025
2025年5月29日(木) 10:30~17:00
-
【5月29日】「エッジAI×最新半導体」がもたらす未来 ~Avnet Tech Day 2025
2025年 5月 29日
-
次世代SCM経営フォーラム
2025年5月30日(金) 10:00~17:30
-
シン・仮想化テクノロジー2025 Summer
2025年6月3日(火) 13:00~17:00
-
日経クロステックNEXT 関西 2025
2025年6月5日(木)~6月6日(金)
-
Digital Back Office Summit 2025 Summer
2025年6月10日(火) 13:00~17:00
-
一歩先への道しるべ リアル製品体験会
2025年6月20日(金) 13:00~16:00
-
セキュリティマネジメントSummit 2025 Summer
2025年6月25日(水) 13:30~17:40
おすすめの書籍
-
Power Platform 運用の教科書
Power Platformでローコード開発・運用する手法を、マイクロソフト米国本社の製品開発マ...
-
部品メーカーサバイバル R&D改革15のポイント
自動運転や電動化の動向「CASE」の中で新技術開発を図る自動車部品メーカーの業務改革へ向けた打ち...
-
技術者天国 日亜化学工業、知られざる開発経営
LEDや半導体レーザー分野で世界をリードする日亜化学工業。失敗を責めず挑戦を促して高成長に導く開...
-
クラウドデータベース入門
クラウドネイティブの若手ITエンジニアも、オンプレ育ちのベテランも、両者をつなぐクラウドファース...
-
ChatGPT &生成AI 実践活用ガイド
マイクロソフトの「Copilot」やグーグルの「Gemini」を含め、生成AIの最新動向や驚きの...
-
SDV革命 次世代自動車のロードマップ2040
自動運転で、自動車の価値は運転性能よりも、その中でいかに過ごすかにシフトする。その価値を追求する...
日経BOOKプラスの新着記事
-
はじめに:『世界の経営幹部はなぜ日本に感化されるのか 伝統文化の叡智に学ぶビジネスの未来』
-
はじめに:『海底の覇権争奪 知られざる海底ケーブルの地政学』
-
はじめに:『Power Platform 運用の教科書』
-
はじめに:『資本コスト経営のすすめ なぜあなたの会社はPBR<1倍なのか』
-
ニューマン教授「トランプの前提を受け入れてはいけない」
-
話題の本 書店別・週間ランキング(2025年4月第3週)
-
伊丹市・ブックランドフレンズ 閉店寸前で気づいた「本の力」
-
アンガーマネジメント、英語…新社会人の必須スキル日経文庫10冊
-
人気ストラテジストが教える 「つみたて投資」は必ず勝てる?
-
石原壮一郎×大口克人 欲望は成長の原動力、無駄遣いこそ残る人生の課題