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Windows XP Home Editionを,グループのファイル・サーバーにしたいと考え,[プロパティ]を開き[共有]タブの[危険を認識した上で,ウィザードを使わないでファイルを共有する場合は…]をチェックしました。共有はできたのですが,ファイル編集許可以外のセキュリティ設定ができません。(図2

 XP ProfessionalではできるのにHome Editionでできないのはなぜでしょうか。

図2●XP Home Editionには,ネットワーク経由でのファイル変更許可以外のセキュリティ設定項目がない

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Windows XP ProfessionalとHome Editionは,どちらもWindows 2000 Professionalの後継OSですが,Home Editionは,Professionalのいくつかの機能を制限した設計となっています。その1つが,NTFSのセキュリティ設定です。Home Editionではファイル・システムとしてNTFSをサポートしていますが,マイドキュメント以外はフォルダのプロパティに[セキュリティ]タブがありません。セーフ・モードで起動すれば,[セキュリティタブ]を表示できますが,リブートをしなければならず,面倒です(図3)。お勧めは,コマンド・プロンプトでアクセス権を表示/設定するcaclsコマンドです。

図3●セーフモードで起動すれば,セキュリティ・タブが表示され,NTFSアクセス権を利用できる

 caclsコマンドでは,フォルダ(ファイル)のパスを指定し,オプションなしで実行すると,そのフォルダ(ファイル)のアクセス権を表示できます。オプションの「/G ユーザー名:アクセス権」を指定すると,指定ユーザーに指定アクセス権を与えることができます。その他スイッチの詳細や利用方法については「cacls /?」を実行するとオプション一覧が表示されますので,こちらを参考にしてください。

 他にもHome EditionとProfessionalでは様々な違いがあります。企業向けの用途として最も大きな違いに,ドメインへの参加機能があります。Home Editionはドメイン参加が不可能,かつ,ドメイン参加に伴うMicrosoft Windows Serverおよびドメイン・ユーザーとしての管理ソリューションなどもサポートされておりません。例えば,MMC上に[グループポリシー]オブジェクトは表示されません。また,ネットワーク環境にて威力を発揮する「NTFSの暗号化(EFS)」や「リモート・デスクトップ接続」もサポートされません。この他の,ProfessionalとHome Editionの違いは,マイクロソフトのWebサイト「Windows XPの機能比較」(該当サイト) にありますので,参考にしてください。

 また,標準でインストールされないものには,バックアップ・ユーティリティ「ntbackup」があります。Windows XP Home Editionでntbackupを使用する場合は,Home EditionのCD-ROMからValueadd\Msft\Ntbackupフォルダを開き,ntbackup.msiを別途インストールする必要があります。詳しくは「Microsoft Windows XP Home Edition CD-ROMからバックアップ・ユーティリティをインストールする方法」(該当サイト)を参照してください。なお,メーカーのプリ・インストール・マシンなどでCD-ROMが添付されずValueaddフォルダがない場合は,そのメーカーへ入手方法を問い合わせてください。

音喜多 朋子