ユーザーが自分のユーザー・アカウントとAdministratorアカウントのパスワードを忘れてしまい,全くログオンできなくなってしまいました。 Updateは,過去にこの連載で掲載したQ&Aを新しいプラットフォームで検証したものです。
Administrators権限を持つ別のユーザーでログオンできる場合の対処は簡単です。管理ツールからパスワードをリセットしてもらいます Administrators権限のユーザーが1人しか登録されておらず,それさえもログオンできなくなった際に,OSの再セットアップを避けてパスワードを再設定する方法は2つあります。 1つは既存のシステムとは別のフォルダにOSをインストールして起動し,元のシステムのセキュリティ情報を書き換える方法です。もう1つはサード・パーティ製品を使う方法です。 ここでは1つ目の方法を中心に説明しましょう。Windows NT/2000で,既存のユーザー・アカウント情報を残さない場合は簡単です。C:\WINNTにインストールしたWindows 2000のパスワードが分からないとしましょう。このディスクのC:\WINNT_0などの名前のフォルダに対して,改めてWindows 2000をインストールし,それでマシンを起動します。 それから元のWindows 2000のSAM(Security Account Manager)データベースを削除し,再起動します。SAMデータベースは,C:\WINNT\system32\config\SAMというファイルです。Windows NT/2000はSAMデータベースを消して起動すると,自動的に空のパスワードのAdministratorとGuestアカウントを作成します。ただしWindows XPの場合,SAMデータベースを削除すると起動不能になるので避けてください。
システム・サービスから強制変更 前述のように新しいシステムをインストールして起動するまでは同じです。それからWindows 2000のリソース・キットの付録CD-ROMにある「srvany.exe」をディスクの適当なフォルダ(ここではC:\srvany)にコピーします srvany.exeは任意のプログラムをシステム・サービスとして起動するユーティリティです。このsrvanyでnet.exeを強制起動します。Windows XPのリソース・キットには付録CD-ROMがありませんが,Windows 2000のものが使えます。 次にレジストリ・エディタ(Windows NT/2000では「regedt32」,Windows XPでは「regedit」)を起動して,HKEY_LOCAL_MACHINEキーを選択し,[ファイル]-[ハイブの読み込み]を選び,ログオンできないOSのレジストリ・ハイブを読み込みます。読み込むのはWindows NT/2000ではC:\WINNT\system32\config\system,Windows XPではC:\Windows\system32\config\systemです。キー名の入力を求められますが,任意で構いません。ここでは「recovery」としました。
今回手を加えるのは,
ControlSet001サブキーを開き,その中のServices\Spoolerサブキーを開きます。サブキーにある[ImagePath]値に「C:\srvany\srvany.exe」を指定します。さらに,Parametersサブキー内に,図1のように値を2つ追加します。これで次回起動時に,Administratorのパスワードを「password」に変更するnet userコマンドが実行されます。パスワードを再設定できたら上記設定を元に戻し,作業に使ったOSを削除しましょう。 サード・パーティ製品としては「ERD Commander 2002」(販売はエージーテック)が強力です。PCを製品CD-ROMからブートし(OSはWindows XPベースのWindows PE),GUIによってパスワードの変更ができます。 本文中にあるレジストリの操作は個人の責任で慎重に実行してください。設定を誤るとシステムに重大な影響を及ぼします。 (編集部)
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パスワードを忘れて管理者でもログオンできない
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