Windows NT/2000のファイルやフォルダのプロパティには,アーカイブ属性を設定する画面があります。よく調べてみると,オンになっているものやオフになっているものなど様々です。この属性は何に使われているのでしょうか。

 ファイルやフォルダの属性には,「読み取り専用」や「隠しファイル」などがありますが,主にバックアップ用途で利用されるのがアーカイブ属性です()。これはファイルが新規作成された場合や更新された場合にオンになります。フル・バックアップをするとすべてのファイルのアーカイブ属性がオフになります。つまり,アーカイブ属性はバックアップされていないファイルやフォルダであることを示しています。この属性を利用して,Windows 2000のバックアップ・ツールは,前回のバックアップから変更が生じたファイルだけをバックアップしています。

 Windows 2000のバックアップ・ツールで,変更分だけをバックアップする方法には「増分バックアップ」と「差分バックアップ」があります。

 増分バックアップは,前回のバックアップ(フル・バックアップまたは増分バックアップ)以降に変更されたアーカイブ属性がオンになっているファイルをバックアップし,アーカイブ属性をオフにします。

 一方,差分バックアップは,バックアップしたファイルのアーカイブ属性をオフにしません。そのため,フル・バックアップ以降に変更されたファイルを,以前に差分バックアップで保存したファイルも含めて保存します。フル・バックアップ以降のファイル更新を1回の操作でリストアしたいときのバックアップ方法です。

 バックアップ以外にもコマンド・プロンプトで使える「XCOPY」コマンドでアーカイブ属性を利用した様々なファイル・コピーができます。XCOPYはアーカイブ属性がオンになっているファイルだけをコピーするオプション・スイッチ「/m」と「/a」があります。両者の違いは,「/m」はコピー後にアーカイブ属性をオフにし,「/a」はオンのまま変更しません。例えばデスクトップPC上のフォルダとファイル・サーバー上の保管用フォルダを同期させたい場合,変更したファイルだけを迅速にコピーできます。

(日経Windowsプロ編集)

図:ファイルやフォルダがバックアップされていないことを示すアーカイブ属性
ファイルやフォルダが更新されるとアーカイブ属性はオンになる。ユーザーが手動で変更することも可能。画面はWindows 2000のもの。