Windows 2000で管理するDNSゾーンの名称に,いくつかの利用できない単語があるのはなぜですか?

 Active Directoryに統合されていないDNSゾーン(Active Directoryにゾーン情報を格納していないDNSゾーン)は,ゾーン情報をファイルに格納しています。このファイルの名称は,「www.nikkeibp.co.jp」というゾーンであれば「www.nikkeibp.co.jp.dns」となります。そのため,あらかじめOSがファイル名として使えないようにしている単語を含むDNSゾーンを作ろうとしても,ゾーン情報を格納するファイルの名称がOSのルールに違反してしまうため,エラーとなります(図1)。

 OSの制約によってDNSゾーン名として使えない単語は,AUX,COM1,COM2,COM3,COM4,CON,LPT1,LPT2,LPT3,NUL,PRN――です。無効なゾーン名の例としては,「nul.nikkeibp.co.jp」や「con.nikkeibp.co.jp」などがあります(図2)。

 有効なDNSゾーンを作るためには,別の単語を選ぶか,またはWindows 2000のDNSサーバーを監視・管理するコマンド・ライン・ツールである「Dnscmd」使ってゾーンを作成する必要があります。Dnscmdの「/file」スイッチを使えば,ゾーン情報を格納するファイル名を任意に選択できるからです。「con.nikkeibp.co.jp」というゾーンを作るのであれば,「conzone.com.dns」といった「con」を含まないファイル名を指定します。

 実際のコマンドは下記のように入力してください。

DNSCMD /zoneadd con.nikkeibp.co.jp /primary /file conzone.com.dns

 なお,「Dndcmd」はデフォルトではインストールされていません。日本語版Windows 2000 Serverの場合,製品版CD-ROMの「\SUPPORT\TOOLS」ディレクトリ内にある圧縮ファイル「SUPPORT.CAB」の中に収録されています。


図1:利用できない単語をDNSゾーン名に設定した際のエラー画面
「con」などファイル名として使えない単語を含むDNSを設定するとDNS管理ツールの画面でエラーが表示される。


図2:OSの制約によってDNSゾーン名として使えない単語の例
AUX,COM1,COM2,COM3,COM4,CON,LPT1,LPT2,LPT3,NUL,PRNは利用できない。