ノーツ・クライアントをインストールしたところ,再起動後にWindowsにログオンできなくなりました。何が原因でしょうか。

 Windowsにログオンするプロセスで使用されるモジュールを実行できないというトラブルが考えられます。

 トラブルの原因を見る前に,Windowsのログオン・プロセスについて簡単に解説します。

 ユーザーがWindowsにログオンするときに,OSはGINA(Graphical Identification and Authentication)ダイナミック・リンク・ライブラリ(DLL)を呼び出します。このDLLはユーザーの識別と認証を行うもので,標準ではユーザー名とパスワードの入力などユーザーとの対話部分を処理します。GINAは別のモジュールに置き換えることが可能です。例えば,パスワード認証の代わりにスマート・カード認証を使用する場合は,ベンダーが用意するGINAを使います。

 GINAは,レジストリの「HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon」のGinaDLLの値に登録されています。

 ノーツ・クライアントなどアプリケーションによっては,インストール中にGinaDLLの値を書き換えるものがあります。変更後のGinaDLLで指定されたモジュールがインストールされていなかったり,壊れていると,ログオンできなくなるわけです。

 GinaDLLの値が書き換わっていてもセーフ・モードでWindowsにログオンできますので,GinaDLLの値をOS標準の「msgina.dll」に変更してください。ユーザー名とパスワードでログオンできるようになります。

(日経Windowsプロ編集)