■米Microsoftの「Windows Server 2003 Service Pack 1(SP1)」のリリースに合わせて,MicrosoftのClyde Rodriguez氏(SP1と64ビットWindowsのリリースを担当するグループのプログラム・マネージャ兼プロジェクト・マネージャ),Samm DiStasio氏(Windows Server部門のマーケティング・ディレクタ),Jeff Price氏(Windows Server部門のマーケティング・シニア・ディレクタ)の3名にインタビューすることになった。
■彼らにSP1自体のこと,このSP1が新しいロードマップや2005年末に予定されている「Windows Server 2003 Release 2(R2)」とどうかかわるのか,SP1の新機能やバグ・フィックス,そしてユーザーのフィードバックが果たした役割――――などについて話を聞いた。
今回のSP1は「Windows XP SP2」と同じようにWindows Serverへのセキュリティ強化版として位置付けられている。またSP1のリリースと同時に,Microsoftは2年に一度という予測可能なスケジュールでの製品のリリースに取り組もうとしている。
SP1とR2で製品ロードマップの明確化 こうした願いに答えるべく,Microsoftは2年ごとにサーバーOSをリリースすると発表した。4年ごとにWindows Server 2003や「Longhorn Server」(開発コード名)などの全く新しいバージョンをリリースする。そして,追加機能をまとめたアップデートをそれぞれの2年後に提供する。 例を挙げると,「Windows Server 2003 Release 2(R2)」には,現在Webサイトからダウンロード提供されている「Active Directory Application Mode(ADAM)」などが含まれる予定だ。これに加えて,支社向けのシナリオ「Active Directory (AD)」フェデレーションやストレージの強化に焦点を合わせたものが含まれる。 バグ・フィックスを提供する必要がある場合,Microsoftがリリースするサービス・パックは無料であるが,このアップデート・リリースは無料ではない。Windows Server 2003 SP1は無料で提供されるが,これはWindows Server 2003 R2を導入するための必須条件となる。明らかにMicrosoftは,SAユーザーが切望していた利点を提供する手段としてアップデート・リリースを位置付けている。この新しい取り組み方について,Samm DiStasio氏に話を聞いた。 [Samm DiStasio氏]Microsoftが事業展開に関してしっかりと構造化された考えを持っているのは,ユーザーにとって重要なことだと思っています。2年ごとにちょっと検討してみようか,と思える何かがリリースされることが分かっているわけですから。現時点では,2年後に新OSのリリースが期待できます。今までだと,ダウンロード用のコンポーネントを出し続けてきたのですが,R2バージョンでは,最新の機能追加が1つのリリースにすべて盛り込まれることになります。 ――――ユーザーはダウンロード可能な追加機能が提供されていること自体を知らないのでは,という心配はありませんでしたか? [Samm DiStasio氏]確かにあります。それぞれの新しいものについて,十分に説明できなかったことがありました。機能が次から次へと出てくるとしたら,ADAMのときに実施したような大々的な宣伝キャンペーンを展開できないことになります。今回の新しいリリース方式では,ユーザーにきちんと注目してもらうために,われわれはしっかりとしたマーケティング活動ができるようになりました。 ――――SP1では,この新方式にどのように組み込まれることになるのでしょうか? [Jeff Price氏]SP1はWindows Server 2003を拡張するアップデートであり,かつサーバーのセキュリティにパラダイムシフトを起こすものでもあります。R2は,通常だとWeb上でリリースされる追加機能をまとめて提供することに,焦点を合わせています。ユーザーからのフィードバックで分かったことは,当社によるWebからのアップデートのリリースが過剰であると感じている,ということです。R2により,新機能のリリースがスケジュール的にも予測しやすいものになる上に,ユーザー側での展開をより簡略化できます。
Windows Server 2003 R2は,Windows Serverの新バージョンであり,SP1テクノロジをより拡張するものになります。R2は,当社の哲学ともいえるユーザーへの一層の一貫性と予測性を提供し,またSP1のセキュリティと安定性の強化を進めています。さらにR2は,簡略化されたブランチ・サーバー管理,セキュリティ境界を超えてのアクセス管理,より効率的なストレージ管理――などの新機能を提供しています。
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