(Brian Moran)

 米Microsoftは5月12日,「SQL Server 2000 Service Pack 4(SP4)」をリリースした。SP4の修正リストには,285もの項目が列挙されている。セキュリティの観点からSQL Serverのサービス・パックは,できるだけ早く適用しておきたい。SP4の「readme」ファイルをよく読んで,アップグレードの計画を立てることをお勧めする。SQL Server 2000 SP4は,同社のWebサイトから無償ダウンロードできる(該当サイト)。

AMD64/EM64Tプラットフォームに対応
 SP4は,SQL Server 2000 SP3aとそれ以降に公開された修正プログラムだけでなく,セキュリティと性能,利便性を向上させるパッチが含まれる。その1つが,64ビットOSへの対応である。このSP4の適用によりWindows Server 2003 x64 Editions上での稼働をサポートする。これは「Windows on Windows emulator(WOW64)」を使い,64ビット・プラットフォーム上で32ビットのSQL Serverアプリケーションを走らせるようにするものだ。

 AMD64とEM64Tがサポートされたことは,大きな意義がある。これらプロセッサを搭載したサーバー・マシンで稼働する32ビットOSまたは64ビットOS上で,SQL Server 2000が起動する。このことは,現時点で64ビットOSの採用に踏み切れないが,既存のハードウエア資産を捨てることなく,近い将来64ビット環境へ移行するための選択肢を確保しておきたいユーザーに受けるだろう。Windows Server 2003 x64 Editionsに関するさらに多くの情報は,MicrosoftのWebサイトから入手できる(該当ページ)。

 SP4は「MSXML 3.0」の新しいバージョンも備える。SP4を使うと「OPEN XML」の構文は,「MSXML 2.6」と互換性のあるXMLパーサーを使いアップデートされる。さらに,SP4には「Microsoft Data Access Components(MDAC)2.8 SP1」も含まれる。これは,Windows XPとWindows Server 2003以外のOSのためである。XPと2003のサービス・パックには,既にMDACのアップデートが含まれている。

超大型Windowsサーバーでの性能が向上
 SP4は,32個以上のプロセッサを搭載した64ビット・システムでの性能を向上させる。リフレッシュされたより安全性の高い「Visual Database Tools(Table Designer,Database Diagrams,Query Designer)」と新しいレジストリ・エントリが,セキュリティとメタデータ,メモリー管理を制御する。このほかWindows Server 2003上で稼働しているSQL Server 2000 SP4では,適用されたホットフィックスを削除できるようになる。さらに,あなたはSP4のインストール作業中に,選択したインスタンスのエラー・レポート処理を有効にできる。

 SQL Serverの以前のサービス・パックと同様に,SP4はアンインストールが難しいのでアップグレードの計画は慎重に立ててほしい。「Microsoft SQL Server 2000 Desktop Engine(MSDE)」は,MSDEのオリジナルのインスタンスをどうインストールしたかによって,SP4へのアップグレード方法が異なる。先に紹介したMicrosoftのWebページは,その作業を進める助けになる。