先日,米国のSQL Server ユーザー・グループ「PASS」が米国フロリダ州のオーランドで開催したイベント「PASS Summit 2004」に参加しました。そこで,米MicrosoftにおけるSQL Serverの責任者とミーティングする機会がありました。このときMicrosoftにお願いした要望の1つがタイトルにある「SQL BOX」です。 SQL BOXの話題に入る前に,まず私についてお話したいと思います。私が「PASS」のイベントに初めて参加したのは1999年のことです。このときSQL Serverの責任者であったポール・フレスナーさんに取材をし,SQL Serverを作っている人の真摯(しんし)さに感激しました。 その後,日本でもぜひSQL Serverのユーザー会を立ち上げたいと思い,多くの方と協力して「PASSJ」を立ち上げました。現在は「PASSJ」理事として活動するとともに,.NETのコミュニティやサイト運営者を支援する組織「INETA」の日本のリードをさせていただいています。 またMS MVPとして,Microsoftのエグゼクティブや製品担当者との意見交換に積極的に参加するとともに,ベータ版の評価を行っています。ビル・ゲイツさんとのラウンドテーブルに参加したときには,「日本の人々はマイクロソフトに対して,(スタートレックに出てくる)バルカン人のような堅苦しいイメージを抱いている」と伝えたこともあります。
SQL Serverの導入は難しすぎる 「SQL BOX」とは,「SQL Serverがあらかじめ導入されているサーバー」のことです。現在ファイル・サーバー用途には「Windows Storage Server」が提供されていて,システム管理者にもSIの方にも好評です。購入時には,ディスク容量や可用性,価格だけを考えればよく,クライアント・アクセス・ライセンス(CAL)も不要です。設置導入もブラウザから簡単な設定をするだけですから,10分ほどで完了します。ユーザーにとっても,販売店やSIにとっても扱いやすい製品です。 一方,SQL Serverの購入や設置にはどのような作業が必要でしょうか。現在,Rights Management Service(RMS)やWindows SharePoint Services(WSS)などWindowsの様々なアプリケーションがSQL Serverを必要としています。 しかし,こういった製品を導入したい人が皆,SQL Serverの運用管理に関する知識を持っているわけではありません。そもそもSQL Serverを適切に設定するには,意外と時間がかかります。まず,導入するサーバーのことを調べる必要があります。特にRAIDシステムや障害検知システムはメーカーによって仕様が異なるので,メーカーの資料を熟読する必要があります。 さらに,ハードディスクのフォーマット,OSやSQL Serverのインストール,Active Directoryへの参加などの作業に,最低1日が必要となるでしょう。これは販売する側にとって大きなデメリットです。また,もし途中で設定を間違えたり,サーバーのドライバや管理ツールが古かったり,パフォーマンスが出ないなどなんらかの障害が発生したときは,ハードウエア,OS,SQL Serverすべてについて高い技術力と調査時間が必要となります。
本来のアプリケーションの導入以外に,SQL Serverの導入だけにこれだけの時間と技術力が必要となるのは,利用者にとっても販売する側にとっても問題です。
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Microsoft MVPが語る(第3回)河端 善博氏
設定いらずで導入できる「SQL BOX」の製品化を!
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