(Adam Carheden)

 仮想化技術は最近,x86の市場で一般的になってきた。だが,仮想マシン・ソフトの主要ベンダーであるMicrosoft,VMware,XenSourceの製品は,まだハードウエアを完全にサポートしているとはいえないため,使用上の制限がある。

 AMDは3月30日,x86ハードウエアを仮想化するための技術「Pacifica」(開発コード名)を開発している,と発表した。なお,インテルも「Intel Virtualization Technology」と呼ぶ同様の技術を開発している。これは以前,Vanderpoolと呼ばれていたものである。

 一般的に仮想マシン・ソフトの中核部分は,複数の仮想マシンがハードウエアを共有する「ハイパー・バイザー」というプログラムである。AMDのPacificaは,ハイパー・バイザーを簡素化し,選択された命令や中断,レジストリへのアクセスだけを各仮想マシンで処理する。

 Pacificaは,タグを付けることによってメモリー・ページとI/Oチャンネルも各仮想マシンに関連付けられる。これによって,セキュリティと処理性能が向上するだろう。このハイパー・バイザーの簡素化が実現すれば,仮想マシン・ソフトのベンダーは,プロビジョニングのような付加機能の開発に集中できるようになる。

 AMDは,2006年の前半にすべてのプロセッサ系列でPacificaをサポートする予定を立てている。これがリリースされるとき,XenSourceはPacificaをサポートするだろう。MicrosoftとVMwareは,現在のところPacificaのサポート時期を明らかにしていない。

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