(Paul Robichaux)

 システム構成をチェックして何か悪いことがあれば,システム管理者に知らせてくれたり,自分で修正してくれたりするツールが,企業のソフトウエアやハードウエアの中に増える傾向にある。Microsoftは2004年9月,Exchange Serverの設定をチェックして,トラブルの原因を指摘し,システムが最適な状態になるよう分析するツール「Exchange Server Best Practices Analyzer」(以下ExBPA)を発表した。Microsoftのダウンロード・センターからダウンロードできる(英語版該当サイト日本語版該当サイト

Microsoftのノウハウを生かしてチェックする
 IBMは「自己修復型」コンピュータを売り出しており,Microsoftは「Microsoft Baseline Security Analyzer(MBSA)」のような自動化された評価ツールの使用を推奨している。こうしたツールの背後にあるアイデアは単純だ。不幸にして大抵の複雑なソフトウエア・パッケージにある問題の大部分は,ほんの少数の根本原因にさかのぼれる。そうした根本原因を探し出して,修復の助けになるツールがあれば,自分が問題を見つけ出して,修復しなければならない破目に陥るのに比べて,ユーザーはずっと幸せになれるだろう。

 MicrosoftのExBPAは,あなたのExchangeアーキテクチャ設計と実装を既知の最良の実例と照合し,最も一般的なミスや,設定の間違いや,エラーを探し出し,分かりやすい修正チェック・リストを出力する。

 明らかにどんなツールも,すべてのExchangeサーバーで最適な設定をチェックすることはできない。小さな非営利目的の組織向けにはうまくいった設定が,中規模の製造業の会社向けには全く不適当だ,ということはあり得る。その逆もまた然りだ。だが最良の実例を参考にすることで,このアナライザはほとんどの問題をカバーする。

実際に試してみると…
 このツールが対応する問題がどんなものかを2~3の例で読者に示すため,私は自宅にあるシングル・サーバー構成のシステムでそれを走らせた。Exchange Server Best Practices Analyzerは下記のような最良の実例に対する違反を見つけ出した。

・「Exchangeがドメイン・コントローラ上にインストールされていました。Microsoftはこれをサポートしますが,ほとんどの構成に対して推奨していません」
・「SMTPのキューがExchangeデータベースと同じディスク上にありました」
・「SystemPagesレジストリ値の値を,その推奨値に変更しませんでした。Microsoftのサポート技術情報に記述があります(http://support.microsoft.com/?kbid=815372)」
・「プライマリWINSサーバーが定義されていません」

 私のシステム構成では,これらの問題は重大ではない。しかし,このツールはもっと大きく複雑な環境では,ほとんどが重大なはずの数百項目をチェックする。例えば,このアナライザは,見つけたメールボックス,ドメイン,受取人のポリシー,アドレス・リストに加え,様々なExchangeオブジェクトがいくつあるかを表示する。そこで多すぎる場合(organizationオブジェクトが2つあるなど)や,少なすぎる場合(Schedule+ Free/Busyフォルダがないなど)は警告する。

利用法に柔軟性がある,将来に拡張性がある
 このツールに特定のテストをスキップするようにも指示できるし,処置にあなたが選んだツールを使うこともできる。こういうことはありがたい柔軟性を提供してくれる。

 このツールのルールとレポートはすべてXMLスキーマで定義されており,私はMicrosoftがそれを拡張することを期待する。Exchangeの多数のパラメータと設定は,「Windows Management Instrumentation(WMI)」インターフェースを通じて,外部に公開される。従って,Microsoftは同ツールをExchangeの他の部分に関しても強化できるはずだ。このツールは今すぐダウンロードして,使うに値するものだ。あなたは自分の環境に下された判定を見てびっくりするかもしれない。