(Paul Robichaux)

 私は以前に,Microsoftの「Exchange Server Best Practices Analyzerツール(ExBPA)」に関する記事を書いた(既報)。このツールは,私の経験から判断すると,手堅くヒットしたようだ。ExBPAはあらゆるタイプのサイトの管理者に使われて,うわさになっている。

 今回取り上げるのは,ExBPAのリリースと同時にMicrosoft Exchangeチームが作り上げたいくつかの新しいツールである。このツール・セット全体は「Web Release 1.1」として知られている。

ベンチマーク,全文索引処理,SMTP診断――の3つ
 MicrosoftはよくMicrosoft Product Support Services(PSS)を通じて,突発的な個別のアップデートや新しいツールを,ホワイト・ペーパーや事例集と一緒にリリースしている。今われわれは,いくつかのまとめられたツールを,かなり正確にスケジュールを予想して一度に入手できる。私は1つずつこういうツールをもらいたいと思っているし,Web Release 1.1にあるツールの多様さを本当に気に入っている。

 あなたは「新しいツールだって?」と聞くに違いない。イエス,本当だ。MicrosoftのWebサイト「Downloads for Exchange Server 2003」を参照すれば(該当サイト),ExBPAのほかに以下のツールが見つかるだろう。

・「Jetstress 2004」 Jetstressツールの新バージョンで,Exchangeの負荷をシミュレートした状態で,あなたのストレージ・サブシステムの性能をテストできる。あなたのディスク・システムが現実に処理できるのは,秒当たり何回のI/O操作なのか,Jetstressが教えてくれる。

・「MS Search Administration」 あなたの組織内のExchangeメールボックス・ストアの全文索引処理の状況を見たり,変更したりするためのコマンド・ライン・インターフェースを提供するツールである。索引処理の起動や停止用のスクリプトを書いたり,どのサーバーは全文索引処理を有効にしているかを見つけたりするときに,このツールがお薦めである。

・「SMTPDiag」 SMTP(簡易メール転送プロトコル)メールの流れをチェックするための,単純だが便利なコマンド・ライン・ツール。SMTPDiagは,Exchangeと同じAPIを使うので,ExchangeのSMTPサービスの設定ミスやイベント・シンク・レジストレーションなどの問題を切り分ける手助けをしてくれる。

既存ツールもコマンド・ライン対応でスクリプトに便利
 さらにこうした新しいツールに加え,以下のようなアップデートや機能拡張もある。 ・「AutoAccept Agent」 ユーザーが各リソース用に自分だけの応答メッセージを作れるようにする。

・「Exchange Stress and Performance(ESP)」「Load Simulator(LoadSim)」 ESPはバグが修正された。LoadSimは説明とサポートが付いたコマンド・ライン・インターフェースを備えるようになった。

・「Badmail Deletion and Archiving Tool」 ExProfReと古めかしいInter-Organization Replicationツールを含むほかのいくつかのツールと同じく,新しいドキュメント付きになった。

 Web Release 1.1はあなたの作業に使える素材もいくつか提供する。特に管理者としてのルーチン・ワークをスクリプトに書いて自動化しようとしている場合に便利だ。