(David Chernicoff)

 インスタント・メッセージング(IM)・プログラムは,わずかの間にインターネットを通じて急速に普及しているソフトウエアだ。大体の場合,私はそういうツールをあまり熱心に使わない。しかし,顧客のほうがだんだんと,AOL Instant Messenger(AIM)やYahoo!やMSN Messenger IMのIDを取れ,といってくるようになった。プロジェクトや企画に関する質問を簡単に送れるからである。

複数サービス会社に対応したTrillianが便利
 もちろん,自分の家族を見れば明らかなように,IMが近ごろの子供の生活の一部になっていることも知っている。電話(それも携帯電話と固定電話の両方)を利用できるのに,子供たちは友人とIMで話す必要があると感じているようだ。私自身はCerulean Studiosの「Trillian」というIMクライアントを使っている。このうちの「Trillian Pro」を発売当初から使っている。これは複数のIMを使うために複数のソフトウエアをインストールしなくて済むからである。もう一方の「Trillian Basic」は,無償でWebサイトから入手できる(該当サイト)。

 Trillianはこれ1つでAIMやMSN,Yahoo!に接続できる。そのうえ,各サービスがそれぞれ提供する機能に,各社の独自クライアントを使わずにアクセス可能なので,なんとか複数のサービスを利用している状況だ。様々な通信相手を,利用中のサービスに無関係にタスクとタイプで分類できるのも便利だ(例えば,ビジネスか個人かなどの分類が可能)。

AIM 5.5に監視用ソフトウエアが入っていた
 最近私は,各社の独自IMクライアントの代わりにTrillianを使う良い理由をもう1つ見つけた。子供たちがIMクライアントを最新のAIM 5.5にアップグレードしたときのことである。そのマシンに対して毎週行っているセキュリティ・スキャンの最中,私はAIM 5.5が多くのプログラムをインストールしており,その中にWildTangentという監視用ソフトウエアがあることを発見した。これでAOLは,AIMのゲームをメンバーがどう使うか追跡しているようだ。

 WildTangentは,私が使っているスパイウエア・スキャナ「Ad-ware」(Lavasoftの無償ツール)にガンガン引っかかってくる(該当サイト)。WildTangentは,ユーザーの個人情報を収集しないのだが,私は自分の家庭用兼オフィスのネットワークにスパイウエアを導入しないという厳しいポリシーで臨んでいる。AIMは,いろいろなところで仕事の連絡に使われている。そちらはもっと大きな問題だろう。どんな仕事であれ,従業員の行動を追跡する外部ソフトウエアを自分のネットワーク上に置きたいとは思わない。WildTangentを削除してAIMを使うこともできる。これは厳密にはAIMの同意事項に違反するのだが,WildTangentが自動的にインストールされ,インストールを拒否できないことは重大である。仕事でAIMを使う場合にはこの点に気を付けたい。

 あなたがIMのヘビー・ユーザーなら,IMクライアントとして基本的にTrillianをお薦めする。そして,何かをアップグレードしたら,あるいは普段のメンテナンス時に,あるいは定期的なウイルス・チェックのときに必ずスパイウエア・チェック・ツールを実行してほしい。検索エンジンのGoogleで調べれば検討に値する無償のチェック・ツールをいくらでも見つけられるだろう。

ほかにもオープン・ソースの「Miranda IM」がある
 今主流のIMクライアントとしてもう1つ,読者の電子メールで教えてもらったものがある。それは「Miranda Instant Messenger」である(該当サイト)。Miranda IMはオープン・ソースで無料であり,アドオン・モジュールを開発できるようにプラグイン・モデルを採用している。Miranda IMはAOL Instant Messenger(AIM),ICQ,MSN,Yahoo!のほか,あまり使われないIMプロトコルをたくさんサポートする(Yahoo!のクライアント機能はプラグイン・モジュールで提供されるがまだ開発中)。まだ,そのソフトウエアを徹底的に使う機会を持てずにいるのだが,一見の価値があるしゃれた小さなソフトウエアのようだ。