米Microsoftは7月8日午後(米国時間),Windowsの次期主力バージョン「Longhorn」(開発コード名)のプライベート・ベータ版の招待状を送り始めた。その内容によると,Longhornベータはクライアント版とサーバー版の両方と,さらに参加を決めたプログラマ向けの開発環境も含んでいる。さらにテスターたちは,オプションで「Internet Explorer(IE)7 for Windows XP」と「IE7 for Windows Server 2003」もベータ・テストに参加できる。

 「Windowsの次期版『Longhorn』(開発コード名)は,最新の最も安全で分かりやすいWindowsになるとお約束します」とその招待状には書いてある。「それはお客様が自分たちのコンピュータをより効率的に使いこなし,確実に目的を達成し,ご自分のやりたいことを追求できるようにすることを必ずお約束します。あなたのシステムと情報の一貫性を守るための新しいツール群,あなたの情報を見つけ出し,視覚化し,組織化する,より簡単な方法を提供します。そしてアプリケーションからデバイス,システム全般にわたるより優れた統合を実現します」。

 今回の招待状はさらにLonghorn Beta 1の狙いについて,以下の文章も含んでいる。
「OSの基本部分の徹底的な見直し。信頼性,性能,導入,使いやすさの面の向上」
「PCユーザーがよりスマートに働けるようにし,ホーム・ユーザー向けにエキサイティングな新しい体験を提供するための大きな改良」
「開発者がブレークスルーとなるアプリケーションを容易に開発できるようにするための次世代の開発プラットフォーム」

 ベーター・テスターたちは,「今夏」にベータ1リリースのテスト準備ができた時点で,通知を受ける。筆者の取材先は,最初のLonghornベータは7月末に始まると踏んでいる。

 Longhorn Beta 1のビルド番号に関しては,公開のLonghornニュース・グループでいくつかの議論がある。Microsoftと一緒に仕事をしているコンサルタントのMike Brannigan氏は先週,Microsoftがベータ1のマイルストーンとなるLonghornのコードベースに関して,最近フォーム(別のバージョン化)することを明らかにした。これは標準の手続きだが,Microsoftの代表者がこれを公に説明すると決めたことは興味深い。

 「私たちは今,分岐した2つの並行したビルドを開発していて,基になる509x台(のビルド)が,51xxと52xx(ベータ1以降の予定のビルド)になる」と彼は書いた。「ベータ1のようなマイルストーンのビルドに近づいたときに,われわれがやることは,開発版のツリーをフォークさせることだ。このおかげでベータ1のコードを仕上げる,つまり新しい機能を追加することなく,バグ取りなどをすることに1つのチームを集中させられる。一方,私たちはベータ1の分枝で分かったバグの修正を加え,ベータ2に向けてビルドする新しい機能を追加しながら,別の分枝の上にあるベータ2に向けて開発を続けている。おかげで安定したベータ1(ビルド)を作りながら,開発サイクルを全く遅らせないで済む最も効率的なやり方を実現できる」。

(Paul Thurrott)