日立システムアンドサービスとKDDIは7月4日,BREW搭載のau携帯電話機を使ってパソコンを遠隔操作する「ポータブル・セキュア・ソリューション」を発表した。リモコン・ソフトの「VNC」をBREWに移植しており,Windowsに加え,UNIXやMac OS Xも遠隔操作できる。価格は172万2000円(10ユーザー時)からで,7月5日に発売する。発売後3年間の売り上げ目標は10億円。

 このソリューションは,社外からのリモート・アクセスで社内のパソコンを操作するため,クライアントにBREW携帯電話を使うというもの。ユーザーは,BREW携帯電話の画面でアクセス先パソコンの画面を見ながら,パソコンを遠隔操作できる。アクセス先を社員が普段使っているパソコンにすれば,社外からでもパソコンのメールやアプリケーションが利用可能になる。通信はSSH(セキュア・シェル)で暗号化するほか,BREW携帯電話には文書ファイルなどのデータが残らないので,情報漏えい対策になるとしている。

 ソリューションには,BREW用のVNCクライアントである「ポータブル・セキュア・クライアントμVNC」や通信を暗号化するSSHサーバー(ソフトウエア,ハードウエア込み),システム構築支援サービス,1年間の保守サポートなどが含まれる。対応するBREW携帯電話はW21T/W21S/W21CA/W31SA/W22SA/A5504Tである。現在は,VNCを使うのにパケット通信料が別途必要になるが,将来的にはauのパケット通信定額サービスである「ダブル定額」「ダブル定額ライト」を使って,定額料金でVNCも使えるようになる予定だ。

(中田 敦=日経Windowsプロ