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MSゲイツ会長が次世代検索技術を語る――「MSNはリンクではなく答えを届ける」
Gates会長はまず,検索サービスを提供する上で日本市場を重視していることを強調した。検索サービスには「Webサイト検索」「社内情報検索」「パソコン内検索(デスクトップ検索)」など様々なレベルがあるが,今後は携帯電話上での検索技術や,複数台のマシンを使い分けているときの統一的な検索技術などが重要になるという。このような技術を開発していく上で,ブロードバンド通信やモバイル・コンピューティングが普及している日本市場がテスト・ケースとして重要になっているという。 またGates会長は,現在の検索技術にはいくつかの限界があると述べた。例えば,Web検索で調べたURLの内容が後から変更されたときにそれを把握できないことや,検索サービスが提供する情報が分かりやすい形で整理されていないこと,検索サービスがユーザーの検索履歴やプロファイルを考慮した情報を提供できていないことなど――であるという。特にGates会長は「Web検索の結果としてURLへのリンクを提供するのは,オートマチックなソリューションではない。ユーザーがもし,カメラを購入しようと思ってカメラの情報を検索しているのであれば,カメラの情報だけでなく,カメラの販売店の情報なども提供するよう,検索サービスがより知的にならなくてはならない」と,既存のURLのリンクを提供するだけの検索サービスが,機能として不十分だと主張した。 今回の講演では,このような次世代型の検索サービスを目指す上で,Microsoftが既に提供しているサービスやこれから提供する予定のサービスを,デモを交えながら紹介している。 Microsoftは最近,3つの主要な新技術を投入している。MSNの新しいサーチ・エンジン,「MSNツールバー」,「Windowsデスクトップ・サーチ」――である。MSNの新しいサーチ・エンジンは,開発に2年の期間を要したもので,同時に日本語のサーチ・エンジンも刷新された。新しいMSNサーチでは,Microsoftが提供するオンライン百科事典サービスである「エンカルタ」の情報や,新聞社のニュース情報なども表示されるようになった。これらが,ただのリンクではない「答え」の1つの例だとしている。 MSNツールバーとWindowsデスクトップ・サーチは,正式版が6月にリリースされたばかりだ。Gates会長はWindowsデスクトップ・サーチについて特に触れ,「多くのパソコン・ユーザーが利用するであろう,リーダー・シップ・プロダクトだ」と述べた。 Windowsデスクトップ・サーチは,インデックス・ベースのデスクトップ検索ツールで,検索画面からファイルのプレビューが閲覧できることが特徴である。ExcelファイルやPowerPointファイルも,Windowsデスクトップ・サーチの検索画面から内容が閲覧可能で,それぞれのアプリケーションを起動せずに内容が確認できる。Windowsデスクトップ・サーチは,上位バージョンが次世代Windows「Longhorn」(開発コード名)に搭載される予定で「OSに検索技術が搭載されることによって,パソコンの中の情報を整理する時間が短くなるだろう」(Gates会長)と述べた。 またMicrosoftが現在開発中の技術については,MSNサーチ担当コーポレート・バイス・プレジデントであるChristopher Payne氏がGates会長に代わって説明した。Payne氏が最初に披露したのは「start.com」というMicrosoftの新サービスである。start.comは「ユーザーやコンシューマーが,コンシューマー・インフォメーションを容易に検索できるサービスだ。ここでは広告ビジネスを展開する」(Payne氏)という。
次世代のMSNサーチには,自然言語検索技術に基づく,質問文を使った検索サービス「MSR AnswerBot」も実装される。例えば,「Who is bill gates married to?」という質問文を入力すると,Gates会長の奥さんの名前が出てくるようになるという。これは検索エンジンが質問文を理解して,正しい情報を提供するのだという。
Gates会長は講演の最後に,同社が7月から,日本にMSNの研究開発拠点を設けることに触れた。同日のマイクロソフトのリリースによれば,この「MSN R&Dセンタ」には50人以上の研究者が所属する予定で,検索サービスやMSNビデオ,MSNミュージックなどのプラットフォームの開発や,MSN HotmailやMSNメッセンジャーの開発,モバイル機器を使ったサービスの開発などを担当するという。 今回の講演には,プレス関係者だけでなく,一般参加者として,メディア企業や広告代理店の関係者なども多く参加していた。Gates会長は同社が検索サービスにおいて広告ビジネスも展開する考えであることに触れ「ソフトウエアが企業と消費者を結びつける存在になる」と強調していた。 (中田 敦=日経Windowsプロ) 【IT Pro-Windows Reviewメール】を好評配信中。申し込みはこちら 最新ニュース記事一覧へ >> |