米Microsoftはヨーロッパ連合(EU)との合意に基づいて「Windows XP N Edition」を作ったが,これがPCメーカーや消費者に全く興味を持たれていないようだ。ヨーロッパの小売レポートによって明らかにされた。

 同社は6月15日,「Windows XP Home Edition N」と「同XP Professional Edition N」を製造業者向けにリリースした。これらはEUが下した独占禁止に関する是正命令に基づいて開発されたバージョンであり,Windows Media Player(WMP)を搭載しない。既に,英国,フランス,ドイツ,イタリア,スペイン向けにXP N Editionをリリースしているほか,今後10カ国でXP Nを出荷する予定だ。

 しかし,ヨーロッパの小売レポートは,XP N Editionが全く興味を持たれていないことを示した。問題は,価格と認知度にある。XPの主要な機能が欠けているにもかかわらず,XP N Editionは,価格が通常のXPと同じなのである。また,WMPが入っていないので,XP Nの購入者はそれを別途手動でダウンロードしなければならない。これは,多くの人にとって面倒な作業である。

 Dellとソニーは,XP N Editionを搭載したマシンを出荷しない。Dellの広報担当者は「私たちの経験上,コンピュータを購入しようという消費者は,そのパソコンが標準でデジタル・メディアを再生できるかどうか,非常に気にする」と語っている。

(Paul Thurrott)



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