日本ヒューレット・パッカード(HP)は6月21日,ブレードPC「HP bc1000 blade PC」(写真)を使ったクライアント管理ソリューション「HP Consolidated Client Infrastructure(CCI)」の販売を開始した。ブレードPCとラック,ストレージ,管理システムなどから成る。データ・センターなどのセキュリティが高い部屋にパソコンと同等の機能を持つブレードPCを設置し,オフィスに設置したハードディスクを搭載しない専用端末から遠隔操作することで,情報漏えいが防止できる。

 ブレードPCは,同社が4月に発表したシン・クライアント「HP Thin Client」からリモート・デスクトップ・プロトコル(RDP)を使って操作する(既報)。シン・クライアントの電源を入れると,空いているブレードPCを動的に割り当てる“ホテル型”を採用。割り当てには,米F5 Networksのアロケーション・ソフトを利用している。割り当て後,Active Directoryで認証されるとユーザー・プロファイルなどをストレージから読み込む。

 ブレードPCのハードディスクには,ユーザーが標準構成として設定したOSとアプリケーションを保存しておく。割り当て後にブレードPCに障害が発生した場合は,自動的に別のブレードPCに切り替えることも可能。部署によって利用するアプリケーションが異なる場合は,ユーザーの所属によって,接続するブレードPCのグループを指定できる。

 ブレードPC1枚には,プロセッサに米TransmetaのEfficeon TM8600(動作周波数1GHz),512M~1024Mバイトのメモリー,40Gバイトのハードディスクなどを搭載する。日本HPによると搭載しているプロセッサの処理能力は概算で,米IntelのPentium III(動作周波数1GHz)に相当するという。3U(1Uは約44mm)サイズのエンクロージャに20枚まで搭載可能。マイクロソフトの「Windows XP Professional Blade PC Edition」がプリインストールされている。

 価格は,ブレードPC100台,ラック,アロケーション・ソフト用サーバー,スイッチ,コンソール用のキーボードやマウス,ブレードPCの管理サーバー,ストレージなどを合わせて1400万円から。このなかには,クライアント用の端末やソフトウエアは含まれていない。

(坂口 裕一=日経Windowsプロ


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