米Dell創業者で会長のMichael Dell氏は先週,米Fortune誌のインタビューに対して,米Apple Computerの「Mac OS X」の搭載に関して前向きな発言をした。「もしAppleがMac OS Xを他社にも提供してくれるなら,われわれはユーザーに喜んでそれを提供するよ」と語った。

 Dellは十分な販売数を持ち,Microsoftの眼を突くような政治的影響力を持つ数少ないPC関連企業の1つである。ご存じの通り,同社はWindows搭載機の他にRed Hat Enterprise LinuxやNovell SUSE Linux,NetWareを搭載したマシンも販売しているのだ。かつてはLinux搭載のノートPCも販売していたが,その市場は非常に小さかったので現在は扱っていない。

 この話の本当に面白いところは,Dell氏が数年前に「Appleは黙って直販店をたたむべきだ」と言ったことだ。「われわれはみんな,このストーリの結末を知っている」とは当時の発言だ。Intel製CPU向けMac OS XのOEM提供は,大成功する可能性がある。それにもかかわらずAppleは,自社以外のハードウエアで稼働するようにはしないと公式に表明している。そのため今回の話は空論みたいなものである。

 AppleがiPodを含むほかの何を売るよりも,Macintoshのハードウエア売り上げで稼いでいることを覚えておくべきだ。もしそれが変われば,そう,Appleの最高経営責任者であるSteve Jobs氏がどんなに優れているかを,われわれは目の当たりにすることになると思う。

(Paul Thurrott)



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