マイクロソフトは6月8日,Windowsプラットフォームの優位性を訴える「Get The Fact」キャンペーンの進ちょくについて説明した。同社ビジネスマーケティング戦略本部市場戦略グループ シニアプロダクトマネージャの梅田成二氏(写真)は,「キャンペーンだけではなく,市場でのイメージ調査,客観的データの提示,お客様の声を製品に反映する活動を合わせて取り組んでいる」と,方針を述べた。

 マイクロソフトの調査では,ユーザーがOSを選択するときに重視する内容として,信頼性,セキュリティ,運用管理性,TCO(総所有コスト)などがあるという。こうした項目について,Windowsの優位性を公平な立場から訴えるために,調査会社によるレポートを公開している。今回,新たに日本国内の事情を反映したものとして,アイ・ティ・アールと三菱総合研究所から新たなレポートを公表した(該当サイト)。

 また,ユーザーの声を製品に反映した例として,電子名刺機能を持つ「Office InterConnect」の製品化やWindows Server Update Services(WSUS)の改良などを挙げた(関連記事)。WSUSを利用するためには当初,別途SQL Serverが必要だったが,1サーバーで動作するように変更された,という。

 このほか,Linuxやオープン・ソースのオフィス・ソフトを導入しようとしている中堅・中小企業をマイクロソフトの営業担当者が訪問して,生の声を聞き出す活動もしている。これによって,以下のことが分かってきた。

 ・コスト削減のためにLinuxを導入・検討するケースが多い
 ・経営層のIT投資に関する意識が薄く,初期費用が安い製品を求めることが多い。TCO削減のメッセージが伝わりにくい
 ・CAL(クライアント・アクセス・ライセンス)の支払いを嫌って,Linuxベースのネットワーク・ストレージを採用するケースがある。CALが不要なWindows Storage Serverが認知されていない。
 ・Linuxではアクセス権の設定で苦労が多い

 こうした内容からマイクロソフトIT総合研究室マネージャの春原久徳氏は,「Linuxに対する理解が進んで,合理的に判断されている」と見ている。ただし,「一番大切なことは,製品よりも経営課題を解決するためのITを提案していくこと」(同)という。

 Get The Factキャンペーンは,マイクロソフト社内でもセキュリティ対策に並ぶ重要プロジェクトとして位置付けられている。今後もパートナ企業と協力して,継続していくという。

(坂口 裕一=日経Windowsプロ


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