シトリックス・システムズ・ジャパンは5月26日,MetaFrameの後継製品「Citrix Access Suite 4.0」を発表した。6月21日に出荷する。同社の大古俊輔代表取締役社長(写真)は,「国内での導入は,1万社,55万ライセンスに達した。新製品では新しいライセンス制度によって,3営業日以内に利用できるようにし,最大で40%割り引く」とアピールした。

 Citrix Access Suiteは,中核となる「Citrix Presentation Server 4.0,Enterprise Edition」,シングル・サインオンを実現する「Citrix Password Manager 4.0」,リモート・アクセス時にSSL-VPNを利用できるようにするアプライアンス「Citrix Access Gateway 4.0」で構成する。なお,今回の新製品から「MetaFrame」の名称は使わなくなった。

 新製品の特徴は,マルチユーザーに対応していないアプリケーションでも動作できるようにした点。デモでは,マルチユーザーに対応していないハガキ印刷ソフトを動作させて見せた。このハガキ印刷ソフトは通常利用において,ユーザーが作成したファイルを[Program Files]フォルダの配下に作成した[USER]フォルダに格納する。このため,従来製品であるMetaFrameを使って,複数のユーザーで利用しようとすると,他のユーザーのファイルが見えてしまう。

 新製品のPresentation Server 4.0では[USER]フォルダを仮想的に複数作成し,ユーザーごとに別のフォルダへアクセスさせる。これによってマルチユーザーで利用しても,ほかのユーザーのファイルが見えることはなくなる。

 このほか,Presentation Server 4.0へアクセスするユーザーごとに仮想的なIPアドレスを割り振る機能も追加した。IPアドレスでユーザーを識別することが可能になり,IP-PBXと連携するIP電話用ソフト(ソフト・フォン)をサーバーで動作できるという。現在,IP電話ベンダーが検証作業を進めている。

 Citrix Access Suiteの価格は,5同時ユーザー接続の場合で約52万円(Citrix Access Gatewayのアプライアンス機器は含まない)。現段階で「Windows Server 2003 x64 Editions」での動作は保証していない。「x64版は現在開発中だが,出荷時期は未定」だという。

(坂口 裕一=日経Windowsプロ

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