日本AMDは4月22日,1個のプロセッサ上に2個のCPUコアを搭載するデュアルコア・プロセッサ「デュアルコアAMD Opteron」と「Athlon 64 X2デュアルコア・プロセッサ」を発表した。サーバー向けの「Opteron 800シリーズ」は同日出荷を開始し,小型サーバー/ワークステーション向けの「Opteron 200シリーズ」は5月に,パソコン向けのAthlon 64 X2は6月に出荷を開始する。

 いずれの製品も,AMDの64ビット・アーキテクチャ「AMD64」を採用するプロセッサである。AMDグローバル・エンタープライズ・マーケティング&事業開発担当のBruce R. Shawディレクタは「AMD64アーキテクチャは当初より,マルチコアを目指して開発されている。そのためデュアルコアOpteronも,Athlon 64 X2も,既存のチップ・セットやマザーボードに対応しており,BIOSを書き換えるだけで利用可能である」と述べた。また,シングルコアと比較しても消費電力が変わらないため,既存の熱設計の範囲で動作可能としている。そのため,既存のOpteron搭載製品を,デュアルコアOpteron搭載製品に変更することが,容易である

 日本ヒューレット・パッカードは同日,デュアルコアOpteron搭載製品2種類(ブレード・サーバーとラックマウント・サーバー)を発表した。そのうちのラックマウント・サーバーは,既存モデルのCPUをデュアルコアOpteronに変更しただけのモデルである。日本HPによると「既存のOpteron搭載サーバーは,すべてデュアルコア対応にする」と述べている。

 日本AMDが開催した記者発表会では,デュアルコアOpteronを搭載したマシン上で,Wndows Server 2003 x64 Editionを稼働させ,OSKのEIP(企業内ポータル)ソフトを動かすというデモンストレーションが実施し,EIPソフトからActive Directoryを検索した。同一のサーバー条件で「32ビットWindowsとシングルコアOpteronの組み合わせ」と「Windows x64 EditionとデュアルコアOpteronの組み合わせ」を比較すると,後者の方がActive Directoryの検索時間が50%も短く,処理性能が約2倍に上がった。

 デュアルコアOpteronの価格は,800シリーズが16万6540円(1000個ロット時)から,200シリーズは9万3610円(同)から,Athlon 64 X2は5万9070円(同)から。なおマイクロソフトは,ライセンス契約におけるプロセッサの数は,CPUコアの数ではなく,物理的なプロセッサ・パッケージ(またはソケット)の数で数えると述べている。

(中田 敦=日経Windowsプロ

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