米国ラスベガスで4月18日から始まった「Microsoft Management Summit 2005」で,米Microsoftは「System Center」と呼ばれる製品のリリースをキャンセルすることを明らかにした。System Centerは,Systems Management Server(SMS),Microsoft Operations Manager(MOM),レポーティング・ツールなどの次期バージョンを統合し,「マネージメント製品スイート」になるはずのものだった。

 しかし,Systen Centerという名称は,システム管理製品のブランド名として残る。システム管理関連の製品はそれぞれが独立の製品としてリリースされるが,バックアップ製品の「Data Protection Server」は「System Center Data Protection Manager(DPM)にリネームされている。DPMは,System Centerのブランド名が付いた初めての製品である。

 Microsoftのコーポレート・バイス・プレジデントであるKirill Tatarinov氏は「System Centerは,マネージメント製品のファミリを指すようになりました。これは,様々なモジュールの集合です。新しい技術はモジュールとして提供されるので,顧客はこれまで投資してきたSMSやMOMを廃棄する必要はありません」と語っている。

 モジュールの1つとしてMicrosoftは,System Centerのレポーティング・モジュールを別にリリースする予定だ。これは「System Center Reporting Manager 2005」と呼ばれ,5月にリリースされる予定だ。また同時に,「System Center Capacity Manager 2006」という新製品のCommunity Technology Preview(CTP,これはMicrosoftがパブリック・ベータに付けた新しい名称のこと)もリリースされる。Capacity Manager 2006は,Exchange Server 2003やMOM 2005を展開するのに最適なリソースを見積もるのに便利な製品だという。System Centerの名称が付く4つ目の製品は,まだ名前が付いていないが,データ・センター向けのマネージメント・コンソールであるようだ。

 Microsoftは今回のMicrosoft Management Summit 2005で,SMS 4.0とMOM 3.0も公開している。これらは,2006年から2007年に予定されるLonghorn関連製品リリースのタイミングで出荷される,SMSやMOMのメジャー・アップグレードだ。SMS 4.0は,ソフトウエア配布のインターフェースがより簡潔になる。SMS 4.0とMOM 3.0は,Windows Server 2003 SP1に追加されたロール・ベースの管理スキーム(サーバーの役割(ロール)を基に,サーバーの設定を定める管理手法)に統合される予定だ。

(Paul Thurrott)

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