米MicrosoftはWindows Updateの次期バージョンである「Microsoft Update」や,企業内パッチ管理サーバーの次期バージョンである「Windows Software Update Services(WSUS)」を6月にリリースするもようだ。両サービスとも,無償で利用できる。

 WebベースのWinodows Updateは,1998年にWindows 98とともにデビューした。Windowsユーザーはこれによって初めて,セキュリティ・パッチや修正パッチ,新しいシステム・ドライバなどを1カ所で見つけられるようになった。その後,MicrosoftはWindows Updateを何回かアップデートし,自動更新機能などを追加したが,依然としてWindows UpdateはWindows OSのアップデートしかできなかった。しかし,Windows UpdateはMicrosoft Updateに包含され,アップデートの対象がMicrosoft OfficeなどのMicrosoftの複数製品に広がる。

 一方のWSUSは,Software Update Services(SUS)を置き換えるものだ。SUSは,企業用パッチ管理ツールのエントリ・レベル製品であり,主に中小企業向けのものであった。次期バージョンとなるWSUSは,Windows Server 2003とWindows 2000 Serverに無償で追加可能であり,Microsoft Updateとバックエンドで連携して,企業内のクライアントにパッチを配布したり,どのパッチが適用されたのかレポートをまとめたりできる。WSUSが利用できるクライアントは,Windows XP,Windows 2000(SP3以降),Windows Server 2003であるという。

 このほかMicrosoftは,7月か8月には企業向けのハイエンド・システム管理製品である「Systems Management Server(SMS) 2003」にアップデートを追加する予定であり,SMS 2003もMicrosoft Updateとバックエンドで連携可能になり,WSUSと同じパッチ・スキャニング・エンジンが搭載されるようになるという。また,パッチの適用状況などを診断する「Microsoft Baseline Security Analyzer(MBSA)」にもアップデートが加えられ,MBSAもMicrosoft Updateと連携可能になる。つまり,Microsoftのパッチ管理ツールは,そのすべてがMicrosoft Updateと連携することになり,スキャン結果などの整合性が保たれるようになるわけだ。

 Microsoft UpdateとWSUSは,元々は1年以上前にリリースされる予定だった。Microsoftによれば,セキュリティ対策の作業がすべてWindows XP SP2に注がれていたため,これらのリリースが遅れたとしている。Windows XP SP2の開発が長引いたことは,Windows Server 2003 SP1やLonghornといった製品の遅れの理由にもなっている。

(Paul Thurrott)

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