米Microsoftはこのほど,「XP Reloaded」計画の第3フェーズの詳細を明らかにした。これは,すでに出荷後3年半が経過したWindows XPに対する消費者の興味を喚起するものである。2004年8~9月の第1フェーズでは,MicrosoftはWindows XP Service Pack 2(SP2),Windows Media Player(WMP) 10,MSN Musicプレビュー,Windows XP Tablet PC Edition 2005をリリースし,パートナー企業は第1世代のPortable Media Centerをリリースした。2004年10月の第2フェーズでは,MicrosoftはWindows XP Media Center Edition(XP MCE) 2005,WMP 10 Mobile,Photo Story 3,ファイナル・バージョンのMSN Musicをリリースし,パートナー企業はMedia Center Extenderデバイスをリリースしている。今回の第3フェーズでは,Microsoftは「Start Something」と呼ばれる,人々にメッセージを発する大規模な広告キャンペーンを実施する予定だ。

 MicrosoftでWindows Client部門を担当するWill Poole上級副社長は,「今回のキャンペーンは,Windowsが登場してから3回目の10年期を迎えたことを契機としていています。Start Somethingキャンペーンは,人々が夢を追い求めることや,何かに熱中することを,祝福するものです。人々が,自宅のミュージック・スタジオで音楽を生み出したり,新しいビジネスを始めたり,家族専属の写真家になったりすることを応援するのです。Windowsは,幅広い種類のアプリケーションやサービス,ハードウエアが,世界中の数千万の人々の生活の一部になるように,発展させてきました。われわれは,人々がWindowsエコシステムの中で,限りない可能性を実現できるようになることを期待しています」と語っている。

 Start Somethingキャンペーンは,Microsoftによれば15カ月間継続する予定で,「Windows XPと一緒に利用できる数千のアプリケーションやデバイスを使うことによって,人々が生活の中で熱中できるものがもたらされるという,Windowsの数え切れないほどの可能性を祝福する」(Microsoft)という。このキャンペーンには,Web,印刷媒体,テレビにおける広告や,小売店での販売促進,オンラインでの活動などが含まれる。キャンペーンは11カ国で実施され,まず米国で始まり,その後オーストラリア,カナダ,フランス,ドイツ,インド,イタリア,日本,韓国,オランダ,英国で実施される予定だ。また,教育,科学,音楽,スポーツ,家族,ライフ・マネジメント,ゲーム,写真,料理,旅行,娯楽,仕事,生産性,起業家精神という13の分野で,ショーケースが示されるという。

 読者はきっと「Microsoftはなぜこのような時期に,このようなキャンペーンを開始するのだろうか」と不思議に思うことだろう。しかし,このStart Somethingキャンペーンは,1年前から準備されていたというのが真相である。とはいえ,陰謀説が大好きな人々は,「Apple ComputerがMac OS Xの新バージョン(開発コード名Tiger)をリリースするのに合わせて,このようなXPのキャンペーンをするのだ」と考えることであろう。

 今回のキャンペーンに関連して,MicrosoftとInteractive Digital Software Association(IDSA)は,「Start Something PC」キャンペーンを開始する予定だ。伝え聞くところによれば,このキャンペーンでは「Athens PC(MicrosoftとHewlett-Packardが開発したビジネス向けのコンセプトPC)」の次期バージョンも登場するらしい。Athens PCの次期バージョンは,米国シアトルで4月25日から開催されるWindows Hardware Engineering Conference(WinHEC) 2005でお披露目される予定だ。このAthens PCのプレビュー・ムービーは,ちょっと面白いものになるらしい。

(Paul Thurrott)

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