アドバンスデザインは3月25日,ハードディスクの内容を完全に消去するサービス「Data Sweeper Web版」を4月18日から開始すると発表した。同社がこれまで実施してきたパソコン引き取り/出張データ消去サービス「Data Sweeper」をもとに,ユーザーがWebサイトから消去ソフトをダウンロードして実施できるようにしたもの。料金はドライブの数によらず,パソコン1台で600円。

 同サービスでは,アドバンスデザインのWebサイトでライセンスを購入し,消去ソフトをパソコンのハードディスク上にダウンロードして実行する。消去対象となるハードディスク上で直接実行できるため,フロッピ・ディスクやCDを別途用意する必要がなく,それらのドライブを搭載しないノート・パソコンなどでも利用できる。加えて,ディスク消去後にパソコンの電源を入れるとデータが消去済みであることを証明する画面を表示する機能を備える。管理者が消去したことを簡単に確認できるほか,中古業者に買い取りを依頼する際の動作確認にも利用できるという。有償オプション(1000円)として消去証明書を発行するサービスも予定している。

 消去ソフトはLinuxとその上で動作する消去プログラムで構成する。インストール時にマスター・ブート・レコードを書き換え,再起動時にLinuxとプログラム本体が起動してハードディスクを消去する。Linux側にデバイス・ドライバが含まれるものであれば,BIOS経由でアクセスできないSCSIなどのハードディスクでも消去できる。

 ただし,消去作業中に同社のサーバーに接続してライセンスの有効性を確認するため,インターネットに接続していない環境では実行できない。同社はフロッピ・ディスクによる販売も計画しているが,ライセンスの扱いはWeb版とは異なるという。フロッピ・ディスク版の価格は1000円の予定。

 データを消去する方法は,ゼロや乱数を1回だけ書き込む方式,米国国家安全保障局方式(3回書き込み),米国国防省方式(3回書き込み)など11種類を用意する。書き込み回数(最大99回)や最終書き込みデータなどを任意に指定して消去することもできる。消去に要する時間は,CPUやバスの速度,書き込み回数などによって異なる。同社のテストでは,動作周波数2GHzのAthlon XPを搭載する富士通のFMV-C320で1回書き込みの場合,40Gバイトの消去に約19分を要したという。

(山本 哲史=日経Windowsプロ

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