マイクロソフトは3月7日,2005年後半に出荷するバックアップ・ソフト「Data Protection Server 2006」の詳細を明らかにした。同ソフトはファイル・サーバーを対象にしたもので,データをハードディスクに保存し,エンドユーザーが自由にリストアできるようにしたのが特徴。
開発チームを統括した米MicrosoftのRakesh Narasimhanジェネラル・マネージャ(写真)は,「ハードディスクでデータを管理するので,迅速にリストアできる。権限を与えておくと,エンドユーザーが管理者に頼らず,必要なときにリストアすることも可能だ。運用コストの削減につながり,中・小規模の企業でシステム担当者が少ない場合は,特に有効だろう」と説明した。
Data Protection Serverは,サーバー・ソフトとファイル・サーバーにインストールするエージェント・ソフトとで構成する。ファイル・サーバー側では,1分おき,1時間おきなど,設定した時間ごとに,エージェント・ソフトがデータの変更をData Protection Serverに送信する。
Data Protection Server側では,複数のファイル・サーバーのデータの変更履歴を一元管理する。管理コンソールや,エンドユーザーが使うパソコンのエクスプローラから,履歴表示画面を呼びだし,日時を選択すると,そのときのファイルを復元できる。
Data Protection Serverでは,データをハードディスクにバックアップするため,ある程度の容量が必要になる。どれくらいの容量が必要になるかは,対象とするファイル・サーバー数,データ容量,バックアップの頻度,ハードディスクからリストアを可能にする期間などから決まる。Microsoftは,必要なディスク容量を計算するツールを提供する予定。Data Protection Serverのハードディスク容量が少なくなった場合は,サード・パーティ製のバックアップ・ツールを使って,テープにバックアップすることもできる。
Data Protection Serverは,2005年4月にベータ版を公開する。製品の出荷は2005年後半の予定。具体的な出荷時期や価格は未定である。Exchange ServerやSQL Serverをバックアップする機能は,2006年以降に出荷する後継版に盛り込む計画になっている。
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