「ちょっとしたブームはあるだろうが,90年代にわれわれが経験したような感じには戻らないだろう」――米DellのKevin Rollins CEO(最高経営責任者)は,米Microsoftが2006年半ばに出荷する予定の次期Windows「Longhorn」(開発コード名)のPC市場への影響について発言し,PCの売り上げを一時的に増やすだけで,10年前の「Windows 95」のときのような継続的な売り上げの改善にはならないだろうと述べた。
その一方で,PC市場は健全かつ堅実に成長しており,同社はもちろん好調で名声をほしいままにしている。Longhornへの期待が薄いからといって,責めないことだ。PC市場は成熟したため,従来のようにIntel製CPUがリリースされたり,新しいMicrosoft製OSが登場したりするたびに市場が急成長を起こすジェットコースターのような体験は過去のものになったと,Rollins氏はいう。また,Longhornは,普及しているデジタル・メディアの処理能力と,デュアルコア・プロセッサへの対応がユーザーに受けるだろうとも語った。
またRollins氏は,米Advanced Micro Devices(AMD)製のマイクロプロセッサを採用しないと改めて明言した。Dellはマイクロプロセッサに関して,Intelオンリー主義の立場を取っている。DellではAMD製CPUを搭載したPCを販売する可能性について検討していたのだが,Intel陣営にきっぱりと戻ることにしたと明言したのだ。
筆者は,Dell製PCの大ファンであって,最近までは同社のマシンしか買わなかったが,同社がAMD製マイクロプロセッサの採用を拒否してきたのを残念に思う。特に,優秀な64ビットCPU「Athlon 64」を拒否した。米Intelは1年も遅れてようやく64ビットの「Pentium 4」を,どうにか投入する準備を整えつつあるという状況にある(関連記事)。
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