次世代のノート型パソコンTablet PCを教育現場に生かすという実験が米国の高校で行われたが,期待外れに終わったようだ。米国ジョージア州ワーナー・ロビンズにあるヒューストン・カントリー高校では,2003年に入学してきた28人の新入生に,次世代のノート型パソコンTablet PCが配られ,年間を通して実験が行われた。

 生徒たちにどのような興味深い変化があったか。Tablet PCを使う生徒たちは,電子的に先生とのやり取りを通じて,まとまりが見られた。同プロジェクトは,他のTablet PCを持っていない生徒よりも,洗練されたものになった。じゃあ何が問題だって?

 まず,Tablet PCはバッテリ駆動時間が足りず,日中にダウンしてしまう。これは生徒たちに「アルジャーノンに花束を」を毎日体験させるのと技術的には等価である。また,Tablet PCは毎週1~2回は壊れてしまう。さらに,生徒たちは授業中にインスタント・メッセージで同級生とチャットを行ったり,ネットサーフィンしたりしていた。教師たちはこの装置を使って,どうやったらよい教育ができるか,理解できないでいた。Tablet PCによって,この長くも短い結論が得られたわけだ。しかし,われわれはコンピュータをよりカジュアルに使えるようになるための,長く苦しい道程のはじめにいるに過ぎないのである。

(Paul Thurrott)


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