マイクロソフトは2月17日,報道関係向けに開いた「AMD64+Windows x64プレス・カンファレンス」で,Windows x64 Editionを2005年5月中旬から段階的に出荷することを明らかにした。ラインアップは,デスクトップ向けにWindows XP Professional x64 Editionが1製品と,サーバー向けにWindows Server 2003 Standard x64 Editoin,同Enterprise x64 Edition,同Datacenter x64 Editionの3製品。まず,Windows XP Professiona x64 EditionとWindows Server 2003 Standard x64 Editionの出荷が5月中旬に開始されると思われる。

 また,同社業務執行役員サーバー プラットフォーム ビジネス本部長の鈴木和洋氏は,「Windows x64 Editionは,2007年出荷予定のWindows Server Longhornへの試金石という重要な位置付けをしている」と述べ,x64版をLonghornのメイン・ストリームに置くことを伺わせた。

 Windows x64 Editionは,AMD64およびIntel EM64T対応のCPUで動作する64ビットWindows。IPF(Itaniumプロセッサ・ファミリ)向けの64ビットWindowsと異なり,実行速度をほとんど落とさずに既存の32ビット・アプリケーションを動かせる。さらに,OSの処理性能が高められている。マイクロソフトによると,同じハードウエアで比較した場合,SSL(セキュア・ソケット・レイヤー)やActive Directoryの処理は32ビットWindowsの2倍,ターミナル・サービスは1.5倍速く,ファイル・サーバーの同時アクセス可能ユーザー数は1.1倍になるという。また,32ビットのビジネス・アプリケーションを利用する場合も,何も手を加えずにそのままOSをx64 Editionに移行しただけで,10~17%の速度向上が見込めるという。

(山口 哲弘=日経Windowsプロ

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