「2005年のマイクロソフト製品の注目点は,Windows Server 2003 Service Pack 1と64ビットCPUへの対応,データベース/開発ツールの3つである」――。「日経Windowsプロ」副編集長の木下篤芳が,企業のためのITソリューション展「NET&COM 2005」のメイン・シアターで「Windowsテクノロジ,2005年の注目点」と題して講演を行った。

 2年前の2003年は,Windows Serverがメジャー・バージョン・アップするなど「エンタープライズ向け製品の当たり年だった」。翌2004年は,これに続くはずだったが「Windows XP Service Pack 2(SP2)の開発が遅れたため,主要製品はあまり出なかった」。その影響で今年2005年には,多くの製品が登場する,と切り出した。

 OS関連では,2005年前半にWindows Server 2003の初めてのサービス・パックが登場する。このService Pack 1もXP SP2と同様にセキュリティ機能を重視したもので,セキュリティ設定を容易にするウイザードや検疫ネットワークを実現する機能――などを備える。Windows Server 2003 SP1の適用に関しては「XP SP2が互換性の問題を引き起こし,社会問題にまでなった」「(2003 SP1の導入前に)システム管理者は自社開発システムでは十分な動作検証,市販アプリケーションに関してはマイクロソフトによる認定の確認などの準備が必要」と注意を促している。続いて,後半には今まで単発でリリースしていたFeature PackとSP1を統合した「Windows Server 2003 R2」(開発コード)が登場する。

 2003 SP1の登場と同時に,AMD64やIntel EM64Tアーキテクチャを実装する64ビットCPUに対応するWindows OSの64ビット版が登場する。64ビット化によりWindows Server 2003の最上位版であるDatacenter Editionでは,最大1Tバイトのメモリーをサポートし「データベース・システムではハード・ディスクにアクセスする必要がなくなり,性能が大幅に向上する」。一方,クライアントでは「(次期Windowsの)Loghornの登場でディスプレイ解像度が大幅に向上し,リアルなCGや動画でヘルプなどが向上する。これによりGUIが単なる“窓型”からより高い表現力を持つ“体験型”へ移行し,ユーザーのPCへの接し方が変わる」と予想している。

 発売が延び延びになっているデータベース・システム「SQL Server 2005」(開発コード名Yukon)と開発ツール「Visual Studio 2005」(開発コード名Whidbey)は,取材の結果から今年後半には登場すると見ている。この2製品は密接に関連しており,同時期に登場する。

 また,「Bill Gatesチーフ・アーキテクトは,今までライバルを見つけて研鑽(けんさん)に励んできた」「現在はGoogleをライバルとしており,デスクトップ検索ソフトに力を入れている。開発中と噂されるWebブラウザに対抗して(バージョンアップが止まっている)Internet Explorerを進化させるのでは」との予想を示した。

(茂木 龍太=日経Windowsプロ)