先週ワシントンD.C.の小法廷でMicrosoftの弁護士は,米国控訴裁判所の3人の裁判官に向かい,2004年初めに特許権侵害訴訟で,Microsoftに対してEolas Technologiesへ5億6500万ドルの賠償金を支払うよう陪審員が下した評決は,棄却されるべきであると主張した。Eolasは当時特許を認められていたその技術を発明しなかったというのがその理由である。

 Eolasは,Webブラウザ内にアプリケーションを埋め込むことに関する特許を1998年に取得した。それは,Pei-Yuan Wei氏がViola Webブラウザにその機能を最初に追加した時点から5年後のことである。Eolasは特許を取得した1年後の1999年にMicrosoftに対する提訴を始めたが,多分Microsoftがブラウザ市場で最有力だったからである。

 ではMicrosoftはその訴訟に勝つだろうか?それはちょっと厳しい勝負だ。Viola用のアプリケーション埋め込み機能を開発した後に,Pei-Yuan氏は実質的にその仕事を放棄した。それがEolasが自社の特許出願を正当化する理由である。

 一方,Microsoftは最悪の場合の代案を持っている。5億6500万ドルは国内と海外向けのInternet Explorer(IE)に適用されたので,MicrosoftはEolasが米国での出荷分だけの賠償額を認められるべきだと主張しているのだ。その声明が本当ならMicrosoftが訴訟に負けても,Eolasが勝ち取る賠償額は2億ドルに減らされるはずだ。

(Paul Thurrott)


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