ボーランドは11月4日,開発ツール「Borland Delphi 2005」を12月6日に出荷開始すると発表した。Delphi 2005では,これまでのDelphiとC# Builderに分かれていた2つの製品を統合した。.NETとWin32の両方の開発が可能で,プログラム言語に関してもObject Pascal言語(Delphi言語)とC#言語の両方を使える。ただし,Delphi言語を利用する場合は.NETとWin32の両方に対応するが,C#言語で開発できるのは.NET対応プログラムのみである。なお,C#コンパイラはMicrosoft製である。

 統合開発環境も強化された。これまでも,関数名などの一部を入力するとそれを補完するCode Insight機能(MicrosoftのIntelliSenseに相当)を備えていたが,Delphi 2005ではコード入力時に簡単なヘルプも表示する。ユニット・テスト(単体テスト)機能やリファクタリング機能も備えた。

 製品には,3つのパッケージが用意される。モデリングなどすべての機能を備えたBorland Delphi 2005 Architectが37万8000円。データベース開発機能を備えたBorland Delphi 2005 Enterpriseが31万5000円。一般的なアプリケーション開発向けのBorland Delphi 2005 Professionalが7万1400円である。無償版も後日,Webサイトからダウンロード可能にする予定である。

 12月20日までの期間限定で,既存のDelphiユーザーを対象に,通常のバージョンアップ価格の20%引きでDelphi 2005を販売するキャンペーンを実施する。詳しくはWebサイトを参照。

(山口 哲弘=日経Windowsプロ