10月に発売開始になった「Windows XP Media Center Edition(XP MCE)2005」を巡って,消費者の間で混乱があるようだ。多くの人々は,XP MCE 2005が以前のようにWindows XP Professionalではなく,Windows XP Home Editionをベースにしていると考えていることだ。

 XP MCE 2005は,XP Proの機能であるドメインへのログオン機能や,グループ・ポリシー・エディタ,EFS(暗号化ファイル・システム)のサポートが削られている。一方で,XP MCE 2005は,「Internet Information Services(IIS)5.1」などXP Proの多くの重要な機能をきっちりと備えている。

 本当のところはどうなのか?率直にいって,最初の設問が間違っているのだ。なぜなら,Windows XPは全部同じコードをベースにしているからである。むしろ,問うべきは,なぜXP MCEが全く変わってしまったかである。

 XP Proのスーパーセットとしての以前のXP MCEは,パソコン・メーカーにとっては,より高くつき,消費者にとっても高いものになった。このため以前の製品はあまりうまく売れなかった。Microsoftは今回,XP MCE 2005をプレミア付きのXPベースの消費者向けOSと位置付けている。XP MCE 2005をXP Proと差別化しつつ,より低いコストでも妥当にするために,ホーム・ユーザーが必要としないいくつかの機能を除いたのだ。

 仮に,XP Proの特徴のすべてにMedia Centerというユーザー・インターフェースを加えたものを,XP Proよりも安く入手できるとしたら,XP Proは売れないだろう。OSの価格が下がったことと,今やホワイト・ボックスのPCのメーカーがそれらを売るおかげで,消費者は今,Media Center PCを以前より安く買えるようになった。

(Paul Thurrott)


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