IntelやAMDが今後提供する計画があるマルチコア・プロセッサ上でのソフトウエア製品のライセンス方式をMicrosoftが明らかにした。複数のコアが1チップに入っていても,ライセンスが1つで済むようにする。企業向け製品では,プロセッサの数に応じて必要となるライセンスが用意されている。同じようなライセンスが,マルチコア・プロセッサの登場に伴って導入されるとの懸念が広まっていた。

 これに関して,同社ワールドワイド・ライセンシング&プライシング・グループのマーケティング・ディレクタCori Hartje氏は「プロセッサの進歩に伴うライセンス料の変更は,業界の利益にならないと信じる」と述べている。最初の世代のマルチコア・プロセッサは,サーバーやハイエンド・クライアントPCを対象にしている。Microsoftの現行のライセンス制度で,今回の決定に関係があるのは企業向けのサーバー製品になる。ただし,マルチコア・プロセッサのPCが通常のパソコンや一般消費者に普及したときも,同じポリシーを適用する見込みだ。つまり,マルチコア・プロセッサを搭載したPCで同社のソフトウエアを動作させてもライセンス料が増えることはない。

 Microsoftの決定は,マルチコア・プロセッサ搭載コンピュータにおけるライセンス料上昇の不安を和らげるとともに,他のソフトウエア・ベンダーに影響を与えそうだ。これらにより,マルチコア・プロセッサの普及は予想以上に後押しされる可能性がある。マルチコア・プロセッサは,1つのチップに複数のプロセッサ機能を内蔵したCPU。コアの数に比例して性能が伸びるわけではないが,2CPU分の機能を内蔵するデュアル・コアの場合,60~70%の性能向上が期待される。

(Paul Thurrott)


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