Intelは先週,長く延期になっていた動作周波数4GHzのPentium 4の出荷計画を中止し,メガヘルツ神話の棺に最後の釘を打った。それと引き換えに同社は「出費に見合う,より高い価値」を持つ製品群に集中する。

 4GHzの動作周波数をもつチップは,従来のチップに比べて,特別な冷却用ハードウエアを必要とするほど,発熱するのが問題だった。さらにそのチップは,以前のバージョンよりも大して性能向上をもたらさない。そこで周波数を上げる代わりに,Intelがこれまでにもよくデスクトップ用チップでやった手法を採った。見た目には分かりにくいが,プロセッサの性能を向上させるマルチコア・プロセッサの活用である。1チップ上に2つのマイクロプロセッサをうまく配置し,キャッシュとマイクロプロセッサを一緒に動作させるチップ・セットに改良するものだ。

 Intelはこの戦略を携帯機器用プロセッサ系列であるPentium Mに使った。このチップは,以前のチップよりも低い動作周波数にもかかわらず,より高性能で,バッテリ寿命が長く,発熱も小さいという特徴があった。Pentium Mは技術的には非常に成功していたため,同社はそのデスクトップ用チップのアプローチを試みているようだ。

(Paul Thurrott)


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