米国特許商標局(US Patent and Trademark Office:USPTO)は先週,「FAT(ファイル・アロケーション・テーブル)ファイル・システム」に関するMicrosoftの特許を無効にする可能性があることを発表した。

 USPTOは予備裁定で,その技術に関してMicrosoftへ1996年に特許を与えるべきではなかったと指摘した。同技術は従来から大抵のパソコンで使われており,現在ではカメラ用ストレージ・デバイスやポータブル・メディア・プレーヤー,そしてUSBフラッシュ・ディスクなどで,より一般的になっている。USPROによると,特許を与えるべきではなかった理由として,FATファイル・システムは「簡単に分かる」もので「普通の技術」を持ったプログラマなら思いつく程度のものだというのだ。

 Microsoftがその裁定に回答するまでには90日間の余裕があり,同社はそうするつもりだという。米MicrosoftのBusiness Development, Intellectual Property, and Licensing担当取締役のDavid Kaefer氏は「今度はこの件に関する当方の意見を話す番だ」といった。批評家たちは,Microsoftはオープン・ソースのライバルであるLinuxに縛りをかけるために,FATの特許を申請したのだ,といっている。特許論争を起こした非営利組織のPublic Patent FoundationのDaniel B. Ravicher氏は「(この特許は)ナンバー・ワンのライバルを弱める方法の1つだ」という。Internet Patent News Serviceを運営する特許の専門家,Gregory Aharonian氏はUSA Todayに「チーズ・ケーキで特許を取るようなものだ」と語った。

 FAT技術は,Microsoftが主張するように当時「新しく創造的」だったのか,それともUSPTOが断じるように「明白」かつ「一般的な」ものだったのか?われわれはその答えを見つけるために,Microsoftのその他のたくさんのソフトウエアのマイルストーンをじっくり見てみる必要があると思う。

(Paul Thurrott)


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